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小林よしのり
2014.12.9 04:23

株価と実体経済は反比例


どうせ自民党が勝つと判明すると、安倍政権の経済政策の批判

をブログで書く気も失せる。

どうせわしは富裕層だし、衆愚は放っておけと思うのだが、

わしがニヒリズムになると、日本は終わるからそうもいかない。

 

アベノミクスとやらの第一の矢は金融緩和だが、米国が

金融緩和の出口を見つけて金利を上げようとしてるときに、

日本はまだ円の価値を失くす政策を続けるようだし、

巨額の年金まで株にぶち込むから、外人投機家が日本株を

買うしかなくなってる。

 

GDPのマイナス成長は、速報値第二弾でもっと酷いという

ことがわかったが、それでも為替差益で儲ける企業があるから、

その企業の株に投機家はぶち込む。

企業は内部留保が膨張してるから賃金を上げよというが、

輸出が伸びてるわけでもなく、モノが売れてまっとうな

商売で利益が出たわけではないから、

企業もベースアップは不安だろう。

 

その分、正社員をリストラして、非正規に置き換えれば、

ベースアップしても問題はない。

あるいは賃金を上げた分は、ボーナスで調節すればいい。

いずれにしても正社員の給料を上げるのは、経営者としては、

今後確実に商品が売れるという見込みがなければ上げられない。

それはわしが社長だからわかっている。

内部留保をトリクルダウンするというのは、難しいのだ。

ましてや為替差益なら、円安が円高に激変することが絶対ない

という保証がいる。

GDPマイナスの状況では、まだまだわかりゃしない。

 

大企業も、中小企業はなおさら、設備投資してないではないか。

設備投資して雇用を増やすというのは、膨大な赤字を出す

リスクを背負うことになる。

まともな経営者なら非正規だけが増えて、消費意欲が起こらない

今の国民の心理をちゃんとわかっているだろう。

麻生氏は「今儲からないのは経営者が無能だから」と言ってたが、

政治家は一般人の経済状況なんか、わかりゃしないのだ。

政治家だって株で大儲けしてる側なのだから。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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