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小林よしのり
2014.10.9 14:52日々の出来事

博打みたいな漫画の描き方


今日も一日中、ペン入れだった。

チーフ広井がそんなに量はないと言ってたが、とんでもない。

一本まるごと全ページ、全コマにわしがペン入れしなければ

ならない章があって、今日はこの一本しか進まなかった。

いや、この一本もまだ終わってない。

毎日毎日、来週もペン入れを続けるしかないようだ。

 

描き下ろしで単行本を出すということは、原稿料は入って来ない。

先行投資でスタッフに給料を払い続けるのである。

長引けば長引くほど、投資額が嵩んできて、発売されても

売れなければ赤字が出る。

小説家ならば自分一人だから1年がかりで執筆しても大した

費用はかからないだろうが、漫画家はスタッフを雇っている

から莫大な費用になる。

単行本を描き下ろしで出すということは、大博打である。

 

だからこそ、もう描きたいものしか描きたくない。

売れそうなものを嗅ぎまわって描いて、それで大して売れな

かったら後悔しか残らない。

描きたいものを描くからペン入れの忍耐が続くのだ。

 

しかもこの歳になったら、後世に残せる作品を描きたい。

それは単に今現在、人々の暇つぶしになる作品ではなく、

わし以外の誰にも描けない作品でなければならない。

ちょっと、ごーまんかますが、『戦争論』や『天皇論』は、

わしが死んでも残るのではないかと思っている。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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