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小林よしのり
2014.8.30 04:22

「ヘイトスピーチ」と「騒音デモ」は全然違う


人種差別の「ヘイトスピーチ」は国連人権委の勧告など関係なく、

日本人の常識として「規制」するべきである。

国外からの圧力があったからではなく、日本人の主体性で

「規制」すべきなのだ。

「表現の自由」が無制限のはずがない。

公共性に反して、あまりに国の尊厳を傷つけるような恥ずべき

表現は「規制」して当然である。

保守すべきは日本人の美意識であって、反韓感情や差別根性

ではない。

 

この「ヘイト」規制に、やっと政権側が乗り出したが、

同時に国会周辺の「騒音デモ」まで規制するのは問題がある。

わしも感情的には「騒音」は嫌いなのだが、国会周辺のデモは

民主主義と繋がっている。

 

「騒音デモ」の標的は、暴力装置を有する権力である。

 

「ヘイトスピーチ」の標的は、少数派の民族であり、

「醜い朝鮮人は出て行け」などという言葉は暴力である。

 

「ヘイトスピーチ」の勢力はむしろ、安倍政権を支持する

権力の走狗である。

 

権力に立ち向かうためには、デモの許容度を高くして

おかねばならない。

野党が政権をとって、外国人参政権や、移民法の制定を

進めたら、右派は「沈黙デモ」しかしないか?

必死で「騒音デモ」だってしたくなるだろう。

暴力装置に対抗するのに、騒音すら奪われたら、

権力は恐いものはなくなる。

「ヘイトスピーチ」と「騒音デモ」は、

その性質が全く違うのである。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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