「集団的自衛権」行使容認は、とても分かりやすいパズルゲームだ。
情報1。
アメリカの連邦予算削減の一環として軍事費のカットが進む
米軍のアキレス腱は、海軍における掃海戦力の「弱さ」。
それがシステム上の欠陥だと彼らも分かっている。
しかし、そんな状態のまま20年以上も放置。
「大衆アピール的にも金額的にも、地味すぎて、人気がない。
部内にも部外にも、ここに予算をつけてやろうという
政治的応援団が育たない」
「米海軍は、空母1隻減らしてその予算を掃海艇部隊の増勢に廻す、
という道は選ばなかった」(兵頭二十八氏)という。
情報2。
戦力構成が極めてイビツな我が自衛隊が、
世界でトップクラスの水準を誇るのが海上自衛隊の掃海能力
(自衛隊の場合、世界トップクラスでも掃海「戦力」とは言わない)。
情報3。
集団的自衛権の行使容認の閣議決定をうけて、
安倍首相はシーレーン防衛のための「掃海」活動の重要性を、
繰り返し強調している。
情報4。
アメリカは日本政府の集団的自衛権の行使容認の閣議決定を
率直に歓迎。
以上の1〜4の情報を組み合わせれば、
集団的自衛権の行使容認の目的の1つが何であったかが、よく分かる。
いずれ我々は、米海軍の「地味すぎて、人気がない」分野の
“穴埋め”に、我が海上自衛隊の誇る掃海部隊が
「(日本)国民の生命、自由及び幸福追及の権利が根底から
覆される明白な危険がある場合において」
「他に適当な手段がないときに」
「必要最小限度の」
「実力」行使ーとの名目で駆り出されるのを、
この目で見ることになるのだろうか。