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小林よしのり
2014.6.29 05:42

男系固執と男尊女卑と集団レイプ


安倍政権は皇籍離脱後も皇室活動を継続できる「皇室補佐」や

「皇室特使」などという新たな身分制の検討をしているという。

そろそろわかった頃かなと思っていたが、全然わかってない。

意地でも「女性宮家」や「女系も公認」にはさせないという

男系絶対固執」の感覚を捨てないつもりらしい。

「男系絶対固執」はまさに男尊女卑の因習

そのものなのだ!

 

都議会の女性蔑視ヤジに関して、わしは強い興味を持っている。

一応、マスコミでは非難の声を上げているが、それは「建て前」

の男女平等を言っているだけかもしれない。

その点に関しては、男も女も一緒の気がする。

 

「建て前」は欧米でも一緒だし、「女性の人権」意識に
欧米の男
どもが怯えなければならなくなった事態も
わかるし、
慰安婦問題もこの「女性の人権」意識を
抜きにしては
解決しない。 

今回の都議会の事件で、まっ先に怒りを表明して、議員に
抗議
するほどの門弟女性がいたが、この人は本気だろう。

わしも一瞬にして沸騰したが、この門弟女性には遅れを取った。

「建て前」ではないから一瞬にして沸騰するのであり、やはり

「建て前」以上の怒りが芽生えなければ、その後の思想的な

関心も続かない。

男と女の問題は、ずっと気になってきたのだが、いつか論じて

みなければならないのかもしれない。

 

男性優位社会を支えてきた言い訳として、
実は男は女の掌の
上で転がされてるだけ
というのがある。

男はこれを言いさえすれば女を誤魔化せてきたし、

女もこれを言えば自尊心を満足させられてきた。

これで両者痛み分けでチャンチャンと終わらせてきたのだ。

 

わしはその論法にずっと欺瞞を感じてきたが、
あの都議会の
集団レイプのような光景に、吐き気を催したし、
まだいるはずの
レイプ犯を自民党議員の女が匿ったことに
吐き気を覚える。

 

どうにもならない性差の問題と混同せずに、
社会的な男女の
問題を論じてみなければならないの
かもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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