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高森明勅
2014.5.28 12:51

安倍首相、いまだに私邸住まいの気楽さ

こんなところにこそ、その人間の覚悟と本気度が、
現れるのではないか。

スポットライトのあたる晴れ舞台で、
どんなに格好の良いことを言っても、
普段の心掛けのだらしなさが透けて見えれば、全てはぶち壊しだ。

「日本を取り戻す」「戦後レジームからの脱却」など、
いかにも保守系の人たちが喜びそうなキャチコピーを掲げるわが宰相。

就任以来1年半ほどになっても、
いまだにご自宅から官邸に「通勤」しておられる。

それで危機管理は大丈夫なのか、
と不安視する声が挙がって既に暫く経つ。

それでも、ご本人は全く意に介さない。

災害時に道路が遮断されても、
バイクの後ろに乗って駆けつけれはいいんだとか。

民主党の首相にも見られなかった、「異次元」の呑気さに驚く。

自分は危機管理そっちのけで、ぬくぬく自宅暮らしを続けながら、
自衛官を一層、危険に晒し、国民にも新たな覚悟を求める
集団的自衛権の行使容認を、
踏むべき手順もすっ飛ばして
進めようとする奇妙さ。

そのことに、本人もその周辺も、全く気付かないのだろうか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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