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小林よしのり
2014.5.8 02:14

フィリピンに米軍基地は来ない


テレビ朝日の「そもそも総研」は勉強になる番組だ。

これともう一つ、NHKの「クローズアップ現代」は

貴重な番組である。

 

クローズアップ現代」は、台湾に関する報道や、

慰安婦に関する報道など、間違った認識で作られて

いたこともあった。

その時は腹が立ったが、それでも別の社会問題では、

わしの知らない情報を知らせてくれる役に立つ番組

である。

 

そもそも総研」は録画してでも、毎回見るように

している。

今まで自称保守派の言説では、フィリピンは米軍基地

を追い出して、中国の脅威にさらされ後悔している、

だから改めて米軍と安保条約を強化し始めた、

また米軍基地が戻ってくる、というような口ぶりだった。

だが全然違うということを番組で知った。

 

そもそもフィリピンはお金をもらって米軍基地を

置いていた。

だが、日本は思いやり予算まで付けて、お金を払って

米軍基地を置いてもらっている。

日本はフィリピンに比べても、やっぱり属国なのだ。

 

フィリピンが米国と新たな協定を結んだが、

米軍基地を復活させるわけではない。

あくまでもフィリピンの軍事基地の一角を間借り

させるだけであり、核を持ち込まないという条項も

入れたという。

フィリピンは米軍基地を追い出して後悔してるように

自称保守派は言うが、今も米国との間には

相互防衛条約がある。

駐留なき安保でも米国と強調してやっていけるのだ。

 

米軍基地がなくなって、フィリピンの国内経済は

3倍から5倍の雇用を生み出した。

地元の人も基地がなくなって良かったと言っている。

基地がなくても米軍と安保を結べるし、抑止力は

持てるというのが、フィリピンの例だったのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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