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高森明勅
2014.4.30 13:50

4月29日、昭和の日をお祝いする集い

4月29日は国民の祝日「昭和の日」。

この祝日の趣旨は
激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、
国の将来に思いをいたす」。

キーワードは「復興」だ。

昭和は日本史上、最大の復興を成し遂げた時代だった。

昭和天皇のお誕生日だったこの日は、
平成になって暫く「
みどりの日」とされていた。

しかしそれでは、やがて昭和天皇との繋がりが見失われてしまう。

「昭和の日」に改めようという運動が起こるのは当然だった。

私も微力ながらそれに加わった。

平成17年、祝日法が改正され、
19年からこの日は「昭和の日」に改まる。

ちなみに「みどりの日」は5月4日に移って、現在も残っている。

この運動を進めた昭和の日ネットワークという団体が19年以来、
毎年この日に、お祝いの催しを開催してきた。

今年は明治神宮会館で。

第1部は奉祝式典。

晴れて初の「昭和の日」を迎えた19年の式典での“宣言”を
毎年、
読み上げる。

初心を忘れないためだ。

この宣言の起草を任されたのが私。

何人かの方から改善点の指摘を頂き、宣言文が確定した。

それを壇上で、どう見ても平成生まれの若い女性が読み上げる。

聞きながら、当時を思い出して些か感慨を催す。

賓の1人、厚生労働大臣政務官の高鳥修一代議士が、
昭和天皇の御製「広き野をながれゆけども…」に曲をつけた歌
最上川」を、ピアノの伴奏付きで独唱。

素人とは思えない技量だ。

私は彼が早稲田の学生だった頃からの知り合い。

だが、こんな特技があるとは知らなかった。

第2部は記念講演。

大相撲解説者の舞の海秀平氏が「昭和天皇と大相撲」と題して、
充実した内容を面白可笑しく、軽妙に話した。

明治の初め、文明開化の世相の中で「大相撲は野蛮」といった
見方が広がり、
相撲が衰退。

ところが明治17年、桂離宮で天覧相撲が開催された。

この明治天皇のご配慮によって、大相撲は息を吹き返したという。

第3部は記念演奏。

ここ何年かは自衛隊の音楽隊が演奏していたが、
今年は拓殖大学吹奏楽部による演奏。

東京オリンピックマーチから始まり美空ひばりメドレー、
軍列行進曲など。

平成生まれの学生たちの心憎い選曲。

会が終了すると、
取材に来ていた海外系メディアの支局員が
私を知っているらしく、
声をかけてくる。

カメラの前でコメントして欲しいと。

質問は2つ。

1つは集いへの感想。

もう1つは「昭和の日」の意義。

即席でそれぞれ1分半くらい喋った。

昭和の復興の歩みは、日本人が苦難に直面した時に、
繰り返し回想されて勇気を与え続けるだろう。

「昭和の日」制定に力を尽くしたのは、そう願ってのこと。

この志はこれからも語り継ぐ必要がある。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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