村山談話・河野談話に未来はあるか?
第53回 米軍調査報告に見る慰安婦の実態(その4)
次の「料金制度」という項目には、「慰安婦の営業条件は
軍によって規制され、慰安所の利用度の高い地域では、
規則は厳格に実施された」とある。
これも今まで見てきたものと同様である。
さらに次は「利用日割り当て表」という項目。
まずこう書かれている。
兵士たちは、慰安所が混んでいるとしばしば不満を訴えた。
規定時間外利用については、軍がきわめて厳しい態度を
とっていたので、多くの場合、彼らは用を足さずに
引き揚げなければならなかった。
この問題を解決するため、軍は各部隊のために特定日を
設けた。
というわけで、「月曜日―騎兵隊」「火曜日―工兵隊」と
いう具合に曜日ごとに利用できる部隊が割り振られ、
さらに「なりすまし」がないように、その日の
当該部隊員が2名慰安所に配置され、
やってくる隊員の確認に当ったという。
慰安所に出掛ける兵隊にとっては相当に嫌なことだった
だろうが、そうまでして混雑の緩和を図ったわけである。
また、「秩序を保つため、監視任務の憲兵も見回った」
とある。
だがそれでもなお混雑していたようで、
「慰安婦たちは、日割り表どおりでも利用度がきわめて
高いので、すべての客の相手をすることはできず、
その結果、多くの兵士の間に険悪な感情を生みだす
ことになるとの不満をもらしていた」という。
ここで注目すべきことは、日割り表に
「水曜日―休業日、定例健康検診」となっている
ことである。
こんなに混んでいても、慰安婦には週一回の休日が
確保されていたのである。
続いて、慰安所の利用システムが書かれている。
料金を支払って厚紙の「利用券」を買ってそれぞれの
兵の所属と階級を確認した後に
「列をつくって順番を待った」ということだが、
ここでは最後に書かれていることに注目である。
「慰安婦は接客を断る権利を認められていた。
接客拒否は、客が泥酔している場合にしばしば起こる
ことであった」
慰安婦には、客を断る権利まであったのである。
こうして見ると、客の兵隊よりも慰安婦の方が立場は
強かったのではないだろうか?