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小林よしのり
2014.1.15 13:55新刊情報

『大東亜論』のエロスの限界は?

『大東亜論』はすでに切り拓かれた道や
市場があるわけではない。
今からわしが開拓しなければならない。

漫画は始めから商売目当てで描いたって
うまくいくものじゃない。
作家の全く個人的な好奇心や欲望を
ぶつけてみるしかない。

『大東亜論』は戦後、隠されてしまった
もう一つの近代史に光を当てる作業だが、
エンターティメントにできるほど充実した
史料があるわけでもない。
資料の欠落部分は想像力を働かせ、
登場人物に魂を吹き込んで動かして
みるしかない。
司馬遼太郎がそのように創作したのかも
しれないが、わしとしては未知の分野に
挑んでいる。

第2巻はすでに「SAPIO」の連載でスタート
しているが、玄洋社までの前史を描く。
結構、血なまぐさい戦いがバンバン描かれ、
近代ナショナリズムを受容する日本人の
懊悩を、現代人にも感情移入できるように
描いていこうと思っている。

女のエロティシズムを出してほしいというのが
「SAPIO」編集部の要望だから、応えたいが、
この展開の中でなかなか難しい注文だ。
しかしどこまでエロを描いていいのだろうか?
第1巻でも頭山満と花魁・苅藻のラブを描いたが、
セックスシーンをもっと過激に描いても
いいのだろうか?

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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