女性宮家創設は
天皇陛下のご意思だと言っても、
国民は納得しないんじゃないですか?
と異議を唱えてきた人がいました。
女性宮家の創設には税金がかかるのだから、
天皇陛下のご意思とかいう前に、
まずは納税者の理解が必要じゃないか
と言うのです。
これには唖然としました。
このまま事態を放置すれば、
現在ある宮家はいずれ
ひとつ残らずなくなります。
なくなっていく宮家に代わる
女性宮家を立てるのですから、
税金の出費がどんどんかさんで行く
というわけではありません。
仮に男系派が唱えているように、
旧宮家の子孫の国民男子に
皇籍を取得させて宮家を立てても、
税金はかかるのです。
秋篠宮殿下は
「国費負担という点から見ますと
皇族の数が少ないというのは、
私は決して悪いことではないと
いうふうに思います」
とおっしゃっています。
天皇陛下や皇族方は、宮家の数は
国費の負担になりすぎない程度が
望ましいということくらい、
とっくに意識しておられるのです。
それに、こんな比較はあまりしたくないのですが、
国会議員1人あたりに使われる税金は、
歳費+立法調査費+文書通信交通滞在費
+秘書給与+1人あたりの政党助成金
+秘書給与+1人あたりの政党助成金
で、合計年間1億548万円。
これに対して、皇族お一人に支給される皇族費は
年額3050万円でしかありません。
もちろん国会議員の数の方が
ずっと多いわけですから、
国民一人当たりの負担で言えば、
国会議員は政党交付金だけでも
年間250円、これに歳費その他が加わります。
これに対して天皇陛下と皇族方の
内廷費と皇族費は、国民一人当たり
年間5円弱です。
そもそも、女性宮家創設に税金がかかるから、
まず納税者たる国民の承認が要るなんて言ったら、
天皇陛下のご存在にも、同じことが言えてしまいます。
「天皇には税金が使われているのだから、
天皇制を存続させるかどうかは、
納税者たる国民の意思によって決めるべきだ!」
・・・ほとんど共産党の主張そのものです。
「皇室には我々の税金が使われているんだ!」
という国民の思い上がりから、
皇族方のご公務の「勤務評定」を
しようなどという者も出てくるし、
ご病気の雅子妃殿下に対して「税金泥棒」
などと罵倒する者まで出てくるのです。
納税さえしていれば、
天皇陛下よりも偉いと思い込む、
「国民主権病」の極致です!!
これほどまでに、問題は根深いのです。
国民はどうしても
天皇や皇室に対する知識や理解の
レベルが深まることはないでしょう。
天皇陛下以上に皇統の問題を真剣に考え、
理解されている人はどこにもいません。
だからこそ、この問題は
どんな結論であろうと
天皇陛下のご意思に従うのが
一番いいのです。