ゴー宣DOJO

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高森明勅
2013.5.26 02:45

我が内なる「排外主義」

韓国で反日活動家が日の丸に噛みついたり、
日本の政治家の人形に火をつけたりする映像を見ると、
うんざりする。

一方、国内で韓国の国旗を踏みつけながら、
韓国籍の人に聞くに耐えない罵声を投げ掛けている動画を見ると、
情けない恥ずかしい気持ちに襲われる。

更にその連中に抗議している面々も、
殆ど同じような言葉で怒鳴りつけているのを見ると、
やれやれと溜め息をつきたくなる。

だが振り返って見ると、自分の中にも、
どこか共通する心情が潜んでいるのではないか。

十分な理由もなく「他者」を疎ましく感じる気分だ。

しかも些か厄介ながら、それを一概に、
邪悪とばかり決め付けられない部分がある。

自分が、頼りないながらも、自分自身であるためには、
少なくとも観念のレベルでは、
他者をひとまず排除する必要があるだろう。

自己は、他者との異質性や「対立」によってこそ、
確認出来るからだ。

そこに排外主義の「芽」があるのではないか。

或いは、排外主義が成立し得る普遍的な根拠、
と言い換えても良いかもしれない。

勿論、だからと言って排外主義を擁護するつもりはない。

ただ、我々が目にする排外主義の言動は、
見た目にはいかにも激越で、醜く歪んでいても、
これを全く「外」にのみあるものとして嘲笑し、
眉をひそめているだけでは、
結局、問題の核心を射ることは出来ないのではないか。

実際、そうした排外主義的言動が身近に、
繰り返し目に止まるようになると、
人々は心の中でこう叫び始めるはずだ。

「排外主義者は一人残らず叩き出せ!」と。

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6月9日(日)の「ゴー宣道場」のテーマは

『ネットと拝外主義を考察しよう』

いわゆるネトウヨは益々過激になり、新大久保あたりで排外デモを繰り返している。


朝鮮人は国へ帰れ!」「韓国人を殺せ!」「ガス室に叩きこめ!
ソウルを焼け野原にしろ!」「ゴキブリ!」などと、
日の丸を林立させながら凄まじいヘイトスピーチを行っている。


これに対して、反レイシズムなどを謳うカウンターデモが起こされ、
レイシズムしばき隊」なども現われて乱闘寸前の場面もあり、
騒然としている。


ジャーナリストで参議院議員の有田芳生氏が
排外主義・レイシズム反対集会」を開いたが、有田氏に対して
国に帰れ!」「売国奴!」などの匿名の電話が連日寄せられ、
有田氏の落選運動なども起こされている。


この問題は、国会議員が触れたがらないと有田氏は指摘する。
このような連中を相手にしたら、選挙活動の妨げになるからだという。


だが中には、こんな連中を積極的に取り込もうとさえする動きを見せる国会議員もいるし、
自称保守の論壇誌には、なんとこれを擁護する記事も散見される。


保守を自称する者らが、
排外主義を擁護することは許されるのか?


6月9日は、ゲストに『ウェブはバカと暇人のもの』
『ネット右翼の矛盾』などの著書がある
中川淳一郎氏を迎えて、
ネットに潜む闇の分析と、排外主義の行方を考察してみよう。




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高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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