我が家の近くに式内社がある。
式内社というのは、平安時代の法令集『延喜式』に名前が出てくる、
古代以来の由緒ある神社。
地元の人々は皆、この神社に初詣に出かける。
その時、神社の鳥居の下で毎年、
たすきをかけて参拝者に新年の挨拶をしている地方議員がいる。
日本共産党に所属している議員だ。
日頃から地元に密着した活動を一番、熱心にやっているのは、
共産党だろう。
ポスターも、選挙に関わりなく、
いつもあちこちに貼ってあるし、
駅前での演説やビラ配り、ポスティングなども、
普段から小まめにやっている。
共産党の関係者は、町内会やPTAの行事などにも積極的と聞く。
ただし、活動家の高齢化は避けられないようだが。
一方、国政上の政策も、脱原発、反TPPで、
アメリカの言いなりになるな、農業を守れと主張している。
政治活動の資金も、企業団体献金は一切、
受け取らないし、政党助成金も筋が通らないとして拒絶している。
こう見ると、政党としてなかなか立派だ。
少なくとも、選挙で落選するのが嫌で流れ込む連中を、
理念も政策も問わず、なりふり構わないで、
数を稼ぐ為に受け入れている新党などよりは、
よほどまともに見える。
もちろん個人的には、共産党は私が長年、
取り組んで来た教科書問題などでは、宿敵と言ってよい。
だが、一般的にはもっと支持が広がってよさそうだが、
広がらない。
何故か。
まだ、共産党への不信感や警戒感が、
拭い去られていないためか。
かつての「天皇制打倒」を叫んでいた共産党こそ、
本当の姿で、今はネコを被っているだけ、
と感じる人が多いのか。
先頃、松原隆一郎氏が、こんなことを述べていた。
「ずっと党名を変えなさいと主張してきましたが、
新党がポコポコ生まれて党名がコロコロ変わる現状を見ると、
変えなくて正解でした」と。
共産党は、大正時代にコミンテルン日本支部として結成されて以来、
党名を変えず、アイデンティティーを守り続けている。
その頑固一徹さが、この党の存在感を支え、
同時に党勢拡大の決定的なブレーキにもなっているのだろう。
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