先日、当ブログで
統一協会と勝共連合、さらに
自民党政治家の関係について
簡単に解説したのですが、
これを読んで
「保守が朝鮮系って、どういうこと?」
と混乱してしまった
という声も聞かれました。
これを理解するには
「冷戦構造」の時代の感覚を
知らなければならないのですが、
冷戦時代が終わって20年以上。
若い人には、ここから説明しなければ
わからなくなっているわけですね。
第二次世界大戦後、世界は
アメリカに代表される「資本主義」と、
(右派、あるいは西側陣営ともいう)
ソ連に代表される「共産主義」の
(左派、あるいは東側陣営ともいう)
2つの陣営に真っ二つに分断され、
熾烈な勢力争いが繰り広げられました。
その争いの象徴が朝鮮半島で、
国を真っ二つに分断され、
北を共産主義、南を資本主義の国に
されました。
今となっては共産主義の失敗は
明らかになっているわけですが、
当時は共産主義を理想と信じ、
北朝鮮を「地上の楽園」と唱え、
日本も北朝鮮のような国にしようと
本気で信じていた人がいたわけです。
そうならなくて、
本当によかったわけですが。
日本の共産化を防ぐということが
まさに喫緊の課題だった時代があり、
その当時の「保守」や「右翼」の
政治家や活動家は、
「反共」を唱える相手とならば、
誰かれ構わず手を組んだのです。
自民党保守派は「親台湾」でしたが、
これも、日本にシンパシーを感じている
台湾人と手を組んだのではなく、
ただ「反共」の一点だけで、
その台湾人を虐殺し、弾圧した
蒋介石と手を組んでいたのです。
そんな時代において、
「国際勝共連合」の存在は非常に大きく、
それが一方では朝鮮民族至上主義を
掲げる団体だということには
誰も注意を払っていなかったし、
霊感商法等を繰り広げる
カルト宗教団体の傘下であることすら
不問に付されていたのです。
さらに勝共連合の日本での拡大には、
アメリカ・CIAの協力があったと
言われています。
ただし、これは
「資本主義」か「共産主義」かの
二者択一しか選択肢のなかった
時代だったということを
考慮に入れなければなりません。
ソ連が崩壊、冷戦構造が崩れると、
世界は急速に民族主義が台頭していきます。
統一協会も、教祖・文鮮明がもともと
現在の北朝鮮にあたる地域で
生まれていることから北朝鮮に
傾倒していくことになります。
そんな中で、日本の「保守」は
未だに「反左翼」であれば「保守」だという
冷戦構造の思考から脱しきれていません。
ただアメリカについていきさえすれば
「保守」だと思い込んでいるし、
朝鮮系・カルト傘下の勝共連合との関係を
どう総括するのかもあいまいなままで、
それがこのような混乱状況を
呼んでいるというわけなのです。