ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.9.19 14:28

「いま、ここ」の脱原発

   

 自民の総裁選立候補者が全員原発推進で、保守の立場から国家の危機と感じる人が一人もいないのかと落胆していましたが、先日のゴー宣道場拡大版『倫理と成長の脱原発』に参加し、脱原発は政治家が決めないから諦めるという事ではなく、自分が出来る方法を常に考え、実践していくことが必要なのだと思いました。

 

 我々自らが科学者、技術者に対し、任せるというよりは力を借りて、生活を脱原発でやれるという既成事実を積み上げていくことが大事なのだなと思いました。

 

 大マスコミによって電気が足りないと中小企業が困るというフレームアップがなされているいま、城南信用金庫の吉原理事長によって紹介された、身銭を切って家庭用電流報知器『Aらまー』を開発・販売する中小企業経営者・技術者の人々にはまさに脱帽でした。

 

 この『Aらまー』、安心してアンペア数を下げることができる、カラータイマーのような装置。

 

 http://www.tsuden.com/

 まさに「生活の中での脱原発」です!

 

 この装置の紹介があった時、津田大介さんが、ネットを使ってよりそれが多くの人に伝わる方法論を提示したのにはワクワクしました。

生活の中の脱原発が人々の「今、ここ」のリアルタイムと直接繋がる可能性があるのだなと。津田さんの、各家の電気量がデータ化されてゲームのように競うようになれば面白い・・・・・・という意見も「なるほど」と思いました。

 

 実はこの日の道場前に津田さんのSNS論『動員の革命』(中公新書ラクレ)を読んだのですが、津田さんはネット上だけの言葉のやり取りだけではなく、必ずリアルに行動する誰かがいて、そこに「立ち合いたい」という多くの人々の連鎖が世の中を動かすということが語られていました。

 

 河野太郎さんがおっしゃった、デモで仲間や知り合いとつるんでいるだけではなく、政治家に直に考えを問いに訪ねればいい・・・・・という提案も、それが唯一無二の方法論であるという意味ではなく、人が人を動かすというのは、必ず直に「話す」「伝播する」ことが重要であり、行動が自己目的になってはならない・・・・・という戒めと取れました。

 

 脱原発までこれから多くの戦いをしなければならないと言う小林よしのり氏と、みんなで手をつなげば乗り越えられると言う木内みどり氏は、一見真反対のように見えて、「絶対にあきらめない」ということにおいて同じだと思いました。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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