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高森明勅
2012.8.20 10:01

8月日記抄(5)

8月15日、帰省した次男と靖国神社へ。

靖国会館で長男、長女を待っていると偶然、
大阪国際大学と皇學館大学で教鞭をとっているK君と会う。

次男とは以前、一緒に福島県の
「小野田自然塾」に参加したらしい。

『歴史群像』8月号に彼が書いた
「艦内神社ガイド」のコピーを貰う。

旧帝国海軍の艦艇には神さまが祀られていて、
これを「艦内神社」と呼んだとか。

これまで知らなかったことが色々、書いてある。

短文ながら貴重だ。

靖国会館から戦没馬慰霊像、
軍犬慰霊像あたりに移動して、驚いた。

戦没馬像の前にはニンジンと水が入ったペットボトルなど、
軍犬像にもドッグフードや、
やはり水が入ったペットボトルなどが一杯、
お供えしてある。

今まで三十年余り靖国神社にお参りして来たけど、
迂闊にも、参拝者がこんな優しい心遣いをしていたとは、
全く気づかなかった。

パール博士顕彰碑には、
この日、参拝した松原仁国家公安委員長が捧げた花が、
置かれていた。

そのうちに、まず長女が合流。

仕事柄、こんな日にも打ち合わせが何件か、
入っているらしい。

その後、長男が来るまでに何人か、
ご挨拶を頂いた。

やっと長男も合流。

やはり、仕事の合間 を縫って来た。

もう午後4時過ぎ。

でも、暑い中、まだ神門近くまで参拝者が行列を作っている。

参拝者は皆さん、
整然と静かに並んでおられる。

真摯な気持ちが伝わってくるようだ。

家族4人で片隅から拝礼。

この日を控え、
改めて小林よしのり責任編集
『国民の遺書』(産経新聞出版)を読み直した。

ここに収められている英霊達の言葉の清らかさと、
眼前の祖国の醜状との隔たりは、
余りにも激しい。

この方達の死は、
決して忘れられてはならないし、無駄にしてはならない。

自ら省みて、平素の怠惰と非力を、深く恥じ入る。 
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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