ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.7.12 19:28

「マスゴミ」は市民の私刑を正当化するか!?

       大津のいじめ自殺事件の加害者をネットに実名で晒すことについて「ビビってしまう」と私は書きました。
   
  そのことの理由として、まず「もし間違っていたらどうするつもりなのでしょう」と先日のブログで書きました。コンクリ詰め殺人事件の犯人と噂されたタレントが名誉回復に苦闘したことも例に出しながら。

  そして、そんなことが出来る人は、少なくとも、自らの顔と実名を晒して社会的責任を負う覚悟はあるのだろうか?とも。

  そのことについて、ツイッターで異論を付けてきた人が幾人かいます。その中から、声を以下に紹介します。

  
「逆に言えば、コンクリの犯人の情報がちゃんと公表されていれば疑惑も糞も始めからかかりようが無いですよ。少年法?カァーーーーーぺっっっっっ。ついでに、下衆なコトを言います、聞いてください。コンクリネタがないと●●●●にはこんなに知名度が無いはずです。」
(●●●●はコンクリ詰め殺人事件の犯人と噂されたタレントの名前)

「加害者の特定はとうの昔に済んでるのに恥ずかしい内容で大笑いしました」

「道場のブログ読みました。『もし間違っていたら?』死刑反対の人もよく言いますね。その間違いがなかった場合、私は死刑も賛成ですし未成年であっても名前や写真の公開は賛成です。そうでもしないと精神的に追い詰められて死んだ側が可哀想すぎる。」

「『社会的責任を負う覚悟』・・・・坂本弁護士事件や河野義行さんに対しての報道に関して、マスゴミがそれを果たしていたとはとうてい思えませんが・・・」

  以上、紹介させて頂きました。

  私はたしかに「ビビってしまう」理由として、「もし間違っていたらどうするのか」という不安を書きました。
 
  その不安が、順序としては第一に来たからです。
 

  しかし、もし仮に挙げられた実名がほぼ間違いなく事実だとしても、だったらビビらないで自分も「顔と実名晒し」に加担できるのかというと、そんな自信はありません。

 
  上の声の中で、少年事件でも加害者の顔と実名を公表した方が、勘違いで他の誰かが疑われることも避けられるじゃないか・・・・・・というのは、なるほど一理はあるかなとは思います。

  だからといって、自分自身が、そこに加担したいとは思わないんです。
  否、自分自身もそうだけれど、市井の人が自らの判断で悪人だと思った人の顔と実名を公表する社会・・・・というものに、ビビるんです。

  死刑制度は僕はあるべきだと思っています。しかし市民が事件の加害者を私刑にするということは別問題だと認識しています。

  マスコミが犯罪報道ひとつとっても社会的責任を十分には果たしていないじゃないかと感じることは僕にもあります。しかしだからといって市民が自ら私刑できるようになれば社会は健全になるんでしょうか。

  まさに小林よしのりさんの言うように、
  

 「マスゴミの反動
 がさらなる混沌と不安に市民自らを陥れる事態になるのではないでしょうか。

  
  そんなことを、8月の道場でも考えていきたいと思っています。

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8月19日(日)「第28回 ゴー宣道場」 のテーマは
「『マスゴミ』って本当?」

  

平成24年8月19日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。
8月は 第3日曜日 の開催です絵文字:重要絵文字:重要

入場料は1000円。

参加希望の方は 往復はがき に、『第28回参加希望』 と明記、

さらに、


1.
氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2. 住所

3. 電話番号
4. 年齢

5.
職業(学生の方は学校名)
6.
募集を知った媒体
7.
応募の理由と道場への期待

返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

152-8799

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


まで、お送り下さい。

締め切りは平成24年8/8(水)必着

参加ご希望の方は

余裕を持ってお早めにご応募下さい絵文字:重要


切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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