ゴー宣DOJO

BLOGブログ
トッキー
2012.5.30 04:12その他ニュース

今月号の『WiLL』は面白いか?

昨日のブログで
高森師範が『WiLL』の
今月号が面白いと
褒めておられます。

しかし、私にはどうしても
そうは思えませんでした。

とにかく、どれもこれも
中途半端で、ユルイ考察
としか思えません。

もちろん、対談くっちゃべらせて
まとめるだけという『WiLL』の
お手軽な手法では、
あれが限度でしょう。

本物の考察は、時間をかけて、
練りに練った「作品」にしか
できないものです。

石原慎太郎の尖閣諸島購入問題
では、よしりん先生がブログで示した疑念
https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=jov5mpp8v-736#_736
には何一つ答える内容に
なっていませんでした。

一体、尖閣諸島はどうなるのか?
都民税を使って、
都の所有地にできるのか?

議会の同意は得られるのか?

寄付金を使った場合は、
沖縄の「一坪地主」みたいな
ことになるのだろうか?

石原氏も、対談相手の
新藤義孝衆院議員も、
尖閣に関する防衛力や外交権限を
東京都が持つわけがなく、
国がやらなければならないことだ
と了承しているのに、なぜか
国有化せよという主張はしていません。

わけがわからないまま、
なし崩しで話が進んでいる
という印象だけを受けます。

この件は、よしりん先生が
ブログで書いた疑念が核心であり、
これに答えていない以上、
石原節の自慢話と、
自民党時代を含むこれまでの政府
および外務省への悪口の炸裂が、
石原ファンには小気味よい
読み物かもしれませんが、
この社会問題に対する考察としては、
意味を感じませんでした。

この件はよしりん先生が、
次号『わしズム』で、
橋下問題にも絡めて
さらに詳細に書いています。

木嶋佳苗事件
も、取材や裁判傍聴を繰り返した
ノンフィクション作家とコラムニストの
対談ですが、結局は
「木嶋香苗とは何か、わからないまま」
とか
「木嶋香苗は『空っぽ』だった」
とか言ってます。


このパターン! 
オウム裁判でも
酒鬼薔薇少年A裁判でも、
腐るほど聞きました。

「調べれば調べるほど、
闇は深まるばかり」、
お決まりの文句です。
オウム事件では、まだ言ってます。
だったら取材も裁判傍聴も
無駄じゃないかと言いたくなります。

オウム事件も酒鬼薔薇事件も、
よしりん先生は端的な分析を
描き上げました。
それから15年以上経っても、
その分析を超えるものは
出てきていないと確信します。

次号『わしズム』ではよしりん先生が
『女について
 番外編 木嶋香苗の場合』

を描いています。この事件の分析は、
これが決定版になると思います。
よしりん企画では
その作画に追われています。

原発問題
では、小出裕章助教は
信頼置ける人ですが、
残念ながら原子力以外の
専門知識がないため、
脱原発後の代替案を示せない
という弱点があります。


そのため、「60年代後半か70年代」
の生活レベルに戻ればいい
なんて言ってしまいます。

小出氏は左翼的な世界観が強いので、
「世界には飢餓に苦しむ貧困な国がある。
そんな時に、日本だけ享楽的な生活が
できればいいというのは間違いで、
エネルギーがない国の身の丈に
あった生き方をすべきだ」と
主張するのですが、これでは
原発資本主義者との論争には向きませんし、

そこまで生活レベルを
落としたくはないと
素朴に思う普通の人たちを、
まんまと原発再稼働の詭弁に
なびかせることになってしまいます。


資本主義を否定せず、
矛盾を止揚するには
よしりん先生の『脱原発論』
を待つしかありません。

高森師範が「面白い」と仰るので
わざわざ買って読んでみたのですが、
ソンしちゃいました(笑)。

『WiLL』にはそもそも、
しっかりモノ考えて、
価値や思想を提示しようなんて
いう気はさらさらありません。


単なる読み捨て雑誌です。

雅子妃バッシングをしておいて、
平気で「愛国保守」のような
スタンスをとれるのも、
「読み捨て」で、言論の責任なんか
考えていないからでしょう。

私が『WiLL』という雑誌や、
あの編集長が大っ嫌いだから
言っているという意識はありませんよ、
3割くらいしか(笑)。

トッキー

次回の開催予定

第119回

第119回 令和6年 11/2 SAT
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in広島「原爆の悲惨さはなぜ伝わらないのか?」

INFORMATIONお知らせ