ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.4.18 02:38

国民としての当事者性を失った天皇論

 ゴー宣道場選書「原発はヤバイ、核兵器は安全」の「思考を開始せよ!」というコピーについて、最近よく考えます。

 

 自分の頭で考える・・・・・・ということの大切さは、わかっているつもりだし、人に対しても偉そうにそうしなさいと言ったりすることもあるわけですが、振り返ってみると、実は全然できてなかった・・・・・・ということに気付くことがよくあります。

 

 ゴー宣道場に関わったことで、自分自身、いままでは他人任せにしてきたことに気付くということがありました。

 そして、そこに気付くと、世の中の言論一般に対しても見方が全然変わってきます。

 これまで「このぐらいでいいんじゃないか」と思っていたことが、全然もの足りないどころか「あんたたち、どこの世界の話をしているの?」とまで思ってしまう瞬間があります。

 

 たとえば、サンデー毎日4月8日号の「著名人が語る天皇・皇室本」という特集をぱらぱらめくっていても、10人の識者の中で、小林よしのりさんの『天皇論』を挙げている人が一人もいません。

 

 この特集は特別皇室に詳しくない一般の人々に向けたものですから、堅苦しい専門書を挙げる必要は必ずしもないはずです。

 

 しかも、高森明勅さん、田中卓先生の本ですら誰も挙げていないことには「なぜだ!」と叫びたくなります。

 

 「いや、お前だってたまたまゴー宣をきっかけに高森先生や田中先生のことを知っただけじゃないか」と言われればたしかにその通りです。

 

 でも、皇室をめぐる状況を読み解く手がかりを求めたこの特集に寄せられた言葉の中で「天皇陛下は、国民の平和と安寧を祈り続けておられる存在」であるという一番シンプルなことが、どこにも見当たらないのはどうしたことでしょうか。

 

 「養子縁組の必要性」を唱えたり、竹田恒泰が「宮様詐欺」であることに触れずその著書を紹介する識者は論外にしても、「対外的危機意識によって天皇のあり方も変わってきた」「天皇の権威がいかに利用されてきたか」「天皇は人々にとり憑いた幻想のひとつ」などと、他人事のように歴史を見つめる視座が目立ちます。

 

「男系、女系の論争の当事者を離れた視座が必要」「皇太子のお妃選びは慎重に」「皇位継承に争いはつきもの」などと言うに至っては、「あなたの考えはどこにあるのですか」と問いかけたくなりました。

 国民としての当事者性を置き忘れた言葉に、うすら寒くなってきます。

 

 また「天皇は退位したくてもできない存在」「個人としての天皇を尊重することが大事」ということをまず問題にする人にとっては、皇位継承がただのシステムであり、それを受け入れる側の心情をまったく無視している気がしてなりません。

 

 唯一、和歌を通して言葉の力を信じる天皇陛下の呼吸を感じる中世文学研究の谷知子さんのコメントが心に響きました。

 

 このような特集を見ていると、ゴー宣道場の「公論」と、それ以外の場所で「公の発言」と言われているものが、まったく別のものであると思わざるを得ません。

 

 そのような落差がなぜ生じるのか、一度根本的に考えてみたいと思います。

 

  次回、5月13日(日)13時から開催の

「第25回ゴー宣道場」『公民と国民、何が違うか??権力批判のすすめ―』。

  は、そうしたいい機会になり得るのではないかと思っています。

 

 ぜひ、皆さんと一緒に考えましょう!

 

応募の〆切は

5月2日(水)必着

 

入場料は1000円。

 

参加希望の方は往復はがきに、『第25回参加希望』と明記、

 

さらに、

 

 

1.   氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名と続柄・関係など)

2.   住所

3.   電話番号

4.   年齢

5.   職業(学生の方は学校名)

6.   募集を知った媒体

7.   応募の理由と道場への期待

 

 

返信はがきの宛名には、ご自分の氏名・住所をご記入の上、

 

152-8799

 

 

東京都目黒区目黒本町1-15-16 目黒郵便局・局留め

 

 

『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端

 

まで、お送り下さい。

 

当選された方にのみ、返信はがきを送付致します。

 

たくさんのご応募、お待ちしております

 

〆切日は

ゴールデンウィーク中

ですので、

いつもより郵送に

時間がかかる

可能性があります

 

参加ご希望の方は、

余裕を持ってお早めに

ご応募下さい

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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