ゴー宣DOJO

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切通理作
2012.4.9 08:56

ネトウヨはどこへ行った

   

 48日(日)午後1時開始、第24回ゴー宣道場『女性宮家創設 今一つの危うさ』。

 緊急課題として浮上してきた「女性宮家創設」をテーマに、ゴー宣道場初の「ニコ生コメントも交えた」徹底論戦を行いました!

 

 私は第1部のニコ動生中継の最中に、スマホで書き込みを見ていました。

 なぜスマホなのかという顛末は、こちらのブログでトッキーさんが書かれています。

 

 ある程度の書き込みをメモして流れを覚えておいて、司会の笹さんに振られたら説明するという手順でした。

 

 その中の論点のいくつかは、実際に道場の中でも取り上げられていましたが、メモしたけれど紹介できなかったものもあります。

 

 トッキーさんはこちらとの「共闘」的コメントを紹介されたので、僕は男系派や浮動票的書き込みでメモしたものを紹介します。

 

 「女系は皇統断絶」

 

 「皇室を壊そうとするおまえらの主張、ダメ」

 

 「男系の血は切れてないのが真実」

 

 「神武から男系だった」

 

 「Y染色体が皇室に残っているのは事実」

 

 最後の一つには「アホ」扱いする声もあり、またそれ以後僕の見た限りではY染色体論が浮上することはなく、ネトウヨの中でもいまやあまり効果的な意見だと思われていないのかもしれません。

 

 「天照は天皇じゃありません」

 

 「じゃなぜ明治に男系にしたんだよ」

 

 「代案あるのにないと強弁」

 

 代案とは旧宮家の皇籍取得でしょうか。

 

 「旧宮家は一般人じゃない」

 

 「竹田呼べばいいのに」

 

 「男系も呼べ」

 

 これは男系派も会場に呼んで議論しろという意味です。

 

 しかしプロのゲーマーであり「前世は織田信長」という竹田恒昭氏の珍言ぶりを小林師範が紹介するや、そんな人物に皇位継承「させたくない」「同感」と次々と書き込みが見られ、また、多少乱暴な言い方でもわしはやるという小林さんの態度に「行けよしりん」「乱暴で行け」「応援する」と声が挙がりました。

 

 しかし、

 

「人格は問題じゃない」

 

「雅子妃も問題ある人間性」

 

 などの声もやはりありました。

 

 それにしても男系派が意外と来ないのには「腰砕け」「男系派は弱い者いじめしか出来ない」と批判がある一方、「男系は逃げ、サヨク来てる」と、批判勢力をサヨク視する論法をとり始める向きが中盤から目立ってきます。

 

 中には戦略としてサヨクを演じ始める書き込みも見られましたが、そのやり方には苦笑してしまいました。

 

 「韓流ドラマって面白いなあ」

 

 ・・・・・・サヨクイコール韓流ファンなのでしょうか。ネトウヨの想像力の幅というのはこの程度なのかと、茫然とさせられます。

 

  「男系にこだわると皇室が滅びるというのはサヨクの陰謀」

 

  「サヨクは伝統より合理性」

 

 

  「皇室か伝統かが大事」

 

 

  「伝統なくして未来なし」

 

  「血がつながればいいなら誰でも天皇になれる」

 

  「女系は重視、男系は絶対」

 

  「皇族のことは皇族に」

 

  「庶民がいろいろ言ってもね」

 

 つまり合理性で論議すること自体が「サヨク」なのだという論法です。

 しかしなにが「伝統」なのかについては師範方が丁寧に説明されていました。

 

 「イギリスも次の代で王朝の名前が変わる予定。女系容認というわけではない」

 

 

 「女宮家への婿入りはダメね」

 

 「皇室に入り婿の文化はない」

 

 これらは一応言い分のある批判ですが、そういうものを取り出してメモする機会を見つけるのが大変なぐらい、ただの悪口や言いがかりが目立ちます。

 

 たとえば高森さんが喋ると、まだ何も話を聴く前から「嘘つき」呼ばわり。

 

 堀辺さんが話すと、

 

 「明治時代の人か」

 

 などと揶揄しますが、それを言うなら江戸でしょう!

 ゴー宣道場選書『原発はヤバイ、核兵器は安全』の中での堀辺師範紹介ページの名言を読んでください。

 

 でも、話を聞いていない書き込みに対しては、たしなめることで応戦してくれた人がいたのは頼もしいです。

 

 「本質論はいいんだよ 事実を述べろ」

 

 高森さんや堀辺さんが歴史に遡った話をすると、上のような声もありました。

 

 しかし、

 

 「ネトウヨはなぜ単発意見しか言わないの」

 

 とちゃんと本質を突いた切り返しをする人が居て嬉しいです。

 

 そして残り時間が10分前後になったあたりから

 

「批判コメから逃げた」

 

「スルーするな切通」

 

「こたえてみろよ」

 

「小林が勝手に勝利宣言している」

 

 などの書き込みが大量になされるようになります。

 

 これは小林さんや道場師範が男系派の批判から逃げたのだという印象をつけたいためだけに、繰り返し、単純な言葉を反復しているのです。

 何の質問に答えてないのかまったく具体的に示していないことから、それがわかります。

 

 それに対しても、

 

 「だから何を答えなかったん?」

 

 とちゃんと突っ込んでくれる人がいました。

 

 トッキーさんの報告するように、青と黄の文字でフォントも大きい投稿者が、とりわけ繰り返し「旧宮家復帰、それでいい」「チャンネル桜を見ろ」などと単純な言葉で批判を繰り返していました。

 

 それは男系の声の方が大きいという印象を付けるためでしょうが、わざわざそのために、文字に色を付けたり大きく出来る「プレニアム会員」になっているのですから、ご苦労なことです。

 

 と、いうわけで、初のニコ動を取り込んだ論議でしたが、その場の話に熱中する「道場」という性質上、この辺のリンクが上限でしょう。

 

 たとえば大きなスクリーンにニコ動の画面を映し出し、みんながそれを同時に見れるようにしてしまうと、気が散ってしょうがありません。

 

 僕自身、前半の議論は後日動画でもう一回視聴して内容に集中したく思います。

 

 ネット上で参加下さった皆さん、ありがとうございました!

 サイレント・マジョリティだった方々も、こうして声を上げて応戦下さったのが本当に嬉しいです。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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