飛鳥新社より3月15日発売予定のゴー宣道場選書第一弾は『原発はヤバイ、核兵器は安全』というタイトル。
高森明勅師範が名付け親ですが、「軽々しく『ヤバイ』なんて言うな。不謹慎だ」「放射能の危険は証明されてから言え!」と噛みついてくる輩も出てきかねないのが、いまの風潮です。
そんなヤバイ名前の本『原発はヤバイ、核兵器は安全』の中で、軍事ジャーナリストの井上和彦さんが、こう語っておられます。
「『自衛隊があれば戦争が起こる』というバカに言いたい。だったら、消防署がなくなったら火事がなくなりますか? 警察署がなくなったら、泥棒がいなくなるんですか? そんなことってあり得ないんですよ。火事や泥棒と同じように、他国の攻撃も『ある』だろうことを想定してなければならないのが国防の原則なんですけれども、そういったことが、まったくわからなくなってしまっているというのが、いまの状況です。そういった『現実を直視する』ということ自体が出来ていない」 (『原発はヤバイ、核兵器は安全』井上和彦氏の発言より)
井上さんが指摘する、リスクを伴わないで平和を維持できるという認識は、いま日本社会が誘導されそうになっている「放射能安全神話」と似通っています。
原発を推進するにせよ、脱原発するにせよ、これから先、長い間、放射能の危険と向き合い続けることは、必要です。
不安を拭い去るために、放射能の存在自体を考えないようにしても、対処を遅らせるだけです。
放射能よりも、放射能を危険視する人間の頭の中の方がヤバイ、という意味で「放射脳」という言葉を使う人たちがいます。
その人たちに問いたいのは、じゃあ「放射脳」がなくなれば、放射能もなくなるのですか?……ということです。
不安を忘れて、三年も検診しないで放っておけば、すべてが解決するのでしょうか? 「心配しなければそれでいい」という心の問題だけに帰すことはできません。
最悪の事態を想定しない安全対策は、決して安全ではないのです。
ゴー宣道場選書第一弾『原発はヤバイ、核兵器は安全』は、日本人の覚悟を問う一冊になっています。