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トッキー
2012.2.28 07:10震災・原発問題

「不安を煽る記事」とは何なのか?

昨日のブログで
「週刊文春」(3.1)の
おしどりマコ氏の記事を擁護したら、
「あの記事は明らかに煽りじゃないか!」
「時浦も鵜呑みにして煽ったじゃないか!」
といった反論がツイッターに入ってました。

「見出し」の煽りに脊髄反射して、
どうしたって本文の真意まで
読みとれない人もいるようで、
文章書きとしてはちょっと
暗澹たる思いになります。

実を言えば、最初にあの
週刊文春記事を読んだ時、
専門家によってはあっさりと
「これは原発が原因とは考えられない、
通常時でもありうる現象だ」
と言う人がいるかも
しれないとは思いました。

でも、そんなことは
今回の件では
本質ではないのです。

問題は、原発被災地域の
子供や親が、安心
できるかどうかです。

「週刊ポスト」(3.9)では
『いまだ猛威をふるう
「放射能デマ」という怪物』

という記事が載っていて、
現在発売中の「SAPIO」に掲載の
『脱原発論』でも取り上げている
NHKの『追跡!真相ファイル』が報じた
健康被害のレポートが、
被曝とは関係がないものだと書いています。

週刊ポストは、
「煽りメディアや似非学者たちは
『福島のために』『子供たちのために』
などと正義漢ぶるが、結果として、
福島の人々に過剰なストレスを与え」

ていると、我こそは福島の味方
であるかのように書いています。

果たして、本当にそうでしょうか?


私が現地で子を持つ親だったら、
あの記事には相当
不安になると思います。

週刊ポストの記事が正しいかどうかの
判断などつけようもなく、
それよりも感じることは、
仮に現実に健康被害が起きていたとしても、
あれもこれも原発とは関係ないと、
葬り去ろうとする者が必ず現れるのか
という不安感でしょう。

この調子なら、
もし自分の子供が将来
健康被害を訴えたとしても、
絶対に国も東電も、
そして一部マスコミも
「それは原発とは関係ない」
と言い張るに違いない。

病気の子供を抱えて、
勝てるかどうかわからない
長期戦の裁判を闘う
ことになるかもしれない

・・・私ならそう考えるでしょうね。
だって、今までの
公害病や薬害の訴訟などは、
全部そのパターンですから。

これは大変な
ストレスになるはずです。

「放射能は体にいい」なんて
与太話は論外ですが、
仮にデータとして正確だとしても
「その現象は原発とは関係ない」
という話ですら現地の人には救いにならず、
逆に不安を与えるかもしれない
と考えなければならないのでは
ないでしょうか?

「科学的にこれくらいは安心。
正しく恐れるべきだ」
なんて簡単に言える人は、
当事者意識が欠けている
んじゃないかと思います。

私には
「低線量被曝の影響はわからない。
だから徹底して警戒すべき」
としか言えません。

週刊文春の記事の作り方には
「煽り」があったにしても、
おしどりマコ氏自身は
「子供に甲状腺異常が見つかった」
という事実を目の前にして、
「広く早くきめ細かく継続的に
検査が出来るようにすべきだ」
と訴える記事を書いたわけで、
これは、氏自身が何度も現地入りし、
母親たちとも親しくなって取材した、
リアルな当事者意識
なのだろうと感じました。

それに対して、これを批判する人は
「その甲状腺異常はがん化しているのか?」
「原発と関係あるのか?」
と突っ込み、その部分の詰めが甘いからと
「煽りじゃないか!」と言っているわけです。

これはやはり、安全地帯にいる人の
批判であると言わざるを得ません。

トッキー

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