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高森明勅
2011.11.22 06:04

「万策」はどうなった?

これまで私は、側室不在の歴史上、前例のない局面において、
皇統の末永い存続を願うならば、我が国の伝統に即し、かつ国民多数の共感も得られる、

男系と女系の双方によって皇統を維持出来る方向への皇室典範の改正が不可避である、
と主張して来た。

これに対し、僅かの男系「絶対」論者は別にして(彼らは相手にするには及ばないだろう)、

男系「優先」論者たちは、「それは万策尽きた後に探るべき方途だ」と反論していた。

今、病床に臥せっておられる陛下の一番のご懸念は、申すまでもなく、皇統の将来であろう。
ならば、「万策」論者たちは、これまでどのように「万策」を探って来たのか、
それがどれだけ実を結びつつあるのか、今こそ明らかにすべきではないか。

悠仁親王殿下お一人の存在によって、皇統存続の危機が全て消え去ったのでないことは、勿論だ。

「万策」論が、典範改正をただ先延ばしするための方便や口実でないなら、
既に危機打開のさまざまな方策が実現していてもおかしくないし、
少なくとも実現一歩手前まで来ているに違いなかろう。

だから、それをぜひ明らかにして、陛下のご心痛の軽減を願うことは、
忠良なる国民の当然の義務であるはずだ。

皇統の将来に憂念を抱く少なからぬ国民も、「万策」の具体化に強い関心を寄せている。

「万策」はどうなっているのか、速やかに明らかにして欲しい。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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