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みなぼん
2011.2.25 06:35政治・経済

「根性」で “ 産業構造の変化 ” は乗り越えられる?

私の世代から見て、
ロスジェネ世代に対して、
もう一つ思うことがあります絵文字:きょとん
 
 
いわゆる 「ロスジェネ世代」
1970年代生まれから
就職氷河期が始まり、
就職難の若者が
膨大に増えました。
 
このロスジェネ世代の
就職氷河期には、
「フリーター」 というのは、
今とは逆で、もっと肯定的に
捉えられていましたよね?
(当時、私たちの世代は中高生くらい)
 
「毎朝スーツを着て満員電車に揺られ、
  毎日同じことの繰り返しの
  仕事をするなんて馬鹿馬鹿しい。
  もっと自由に夢を追って、
  自分のやりたい事や個性・才能を
  生かせる仕事をするべきだ。」
 
そんなふうに言って、
「フリーター」は
もて囃されていました絵文字:キラキラ
 
同じように、

「一生一つの会社に
  勤め続けるなんて馬鹿馬鹿しい。
  もっと自分の能力に見合う
  会社があるはずだ。
  終身雇用・年功序列も古い。
  実力主義だ。
  給料は年俸制が良い。」
などと言って、
「派遣」 という働き方や
「転職」 が、
さも新しい労働の
あり方かのように
言われていました絵文字:星
 
そうした背景には、
「雇用の流動化」
という美名の下で、
不況の際に直ぐ切れるよう、
バイトや派遣社員といった労働者を
増やしておきたいという経済界や、
アメリカ型の新自由主義、
市場原理主義を推し進めたい
政府の思惑があった絵文字:ひらめき
(1995年に日経連がまとめた
  「新時代の『日本的経営』」 には、
  働く人を3種類に分けることを提言していて、
  これが始まりだと言われています)
 
それらにまんまと騙され
踊らされたのが
ロスジェネ世代でしょう。
 
そして、小泉政権下では
小泉やホリエモンを熱狂的に支持し、
新自由主義・市場原理主義を
推し進める小泉・竹中路線を
批判していたよしりん先生には
反発していたのです。
 
お約束の
「もう 『ゴー宣』 は卒業した」
と言いながら。

エディプス・コンプレックスですね絵文字:冷や汗
 
よしりん先生は
小泉・竹中路線を進める新自由主義者と、
本来その被害を最も被るであろう若者たち、
その両方と戦っていたのです。
 
正直、
(一体誰のために戦っているんだか・・・)
という気持ちだったことでしょう絵文字:困った 冷汗
 
そして、
そんな風に騙された若者が、
数年後、「派遣切り」 に遭い、
膨大な失業者となって
大問題となりました。
 
よしりん先生はロスジェネ世代に
「騙されるな」と言い続けて
いたけれど、彼らは、
小泉元首相が言っていた「痛み」が
実際に自分たちに降りかかるまで、
自分達の置かれている状況に
気付かないままでしたよね。
 
市場原理主義に異を唱え続け
(2001年の時点で既に描いている絵文字:重要絵文字:笑顔 )
若者が平凡に生きられるよう、
中流層を守ろうとしたよしりん先生に
反発していたかと思えば、
自分に痛みが降りかかったら
泣き言を言う。
 
経済界や政治の思惑に
利用されたとはいえ、
端から見たら 「甘えている」
思われてしまうでしょう。
 
今の大学生が
「甘えている。自己責任だ」
と思われるのも、
この時の若者に対する印象に
引きずられているという面も、
私はあるように思います。
 
 
今の大学生の就職難は、
グローバリズムや今までの
そうした一連の政策によって、
正社員を減らし
フリーターや派遣という
“ いつでも切れる労働層 ”
の割合を膨大に増やし、
日本の産業構造そのものを
変えてしまったことが
大きな原因だと思うんです。
 
つまり、
個人の
「根性」 「自己責任」 では、
とても乗り超えられない
産業構造の変化が、
そこにはあるのです。
 
私が就職活動をしていた時にも、
インターネットの就活情報サイトには
「新しい働き方は派遣だ」
というような
踊り文句が並んでいて、
派遣会社への登録を
呼びかける宣伝は
たくさんありました絵文字:パソコン
 
ただ、この世代になると、
少なくとも私の周りでは、
「派遣なんて、いつ切られるかわからない。
 派遣会社への登録は、正社員として
 内定が取れなかった時の最終手段だ」
と考えられていましたが・・・絵文字:冷や汗
 
 
つまり、
誤解や反感を恐れずに言うならば・・・
私やさらに下の世代からしてみたら
いわゆる就職氷河期が
始まった当初、なぜ疑いもせず
「フリーター」や「派遣」という
働き方を奨励してしまったんだ絵文字:重要
そのトバッチリを、
なんで私たちが受けなきゃいけないんだ絵文字:重要
私たちはそんな選択していない絵文字:重要
 
・・・と言いたくもなる。
(もちろん、いわゆる
  ロスジェネ世代の中でも、
  「フリーター」や「派遣」
  という言葉に踊らされず、
  地道に会社の歯車となって
  働いていた人達も、
  たくさんいることはわかっています。)
 
でも、若い人が
「自由に生きたい」とか
「平凡なサラリーマンなんてつまらない」
とか思ってしまう気持ちはわかるので、
ロスジェネ世代が騙されて
利用されてしまったのは
仕方ないとも思います絵文字:うーん 苦笑
 
実際、私も子供心ながら、
そうした世の中の雰囲気や、
個性重視の教育の影響を受けて、

「私は将来、普通のOLなんかにならないよ絵文字:重要絵文字:怒る
なんて生意気に言ったのですが、
その度に母は言いました。
「そんなねぇ、誰も彼もが
  自分の好きな事ややりたい事を
  仕事にできるわけじゃないんだよ」
絵文字:冷や汗
そんなことを言う母に
反発を覚えたりしたのですが、
今思えば、当然のことを
言っていたんですね絵文字:うーん 苦笑
 
 
そして、私やさらに下の世代が、
時代や社会の被害者だと
言いたいわけでもないです。
 
上の世代からしてみたら、
「覇気がない」 だの「草食系」 だの
「根性がない」 だのと散々に
思われている世代ですから、
この世代にはこの世代の
問題点がたくさんあるのでしょう絵文字:うーん 苦笑
 
ただ、ロスジェネ世代の
失敗を繰り返さないためにも、
世間でもて囃されている言説を
鵜呑みにせずに、
「本当かな?」と疑ってみることが
重要だと思うんです
絵文字:星
 
だって現在は、
ロスジェネ世代の
「就職氷河期」よりもさらに酷い、
「超就職氷河期」 なんて
言われていますからね絵文字:絶望
 
それを覆い隠すために、
それこそ経済界やマスコミなどが、
どんな「世論誘導」をしているか
わかったものではありません絵文字:怒る
 
 
そして、私の世代と下の世代を
ずっと同列に語ってきましたが、
実は今の大学生からしたら、
私の世代すらも今の産業社会を
作っている一部であって、
大学生の抱える苦悩や不安には
私たち世代にすら
責任があると思っています絵文字:ひらめき
 
だったら、この先の若者が、
もう少し希望を持てるような社会に、
少なくとも、
「働きたい」と思っている人が、
ちゃんと働けるような社会にして行く
責任があるのではないか?
 
「個人の『根性』で乗り越えよ」
と叱咤激励するだけではなくて、
そんな国にするために考えて、
「公論」 を創れたら・・・
 
と思うのも、
若者を甘やかしていることに
なってしまうのでしょうか?絵文字:うーん 苦笑
 
よりよい未来を、
下の世代に渡したいと
考えているだけなのですが・・・。
 
 
 
 
 
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