過去の、乳幼児の死亡率が高かった「多産多死」の時代のデータをもとに、皇室でも正妻たる方が男子を多く産んでおられたから、側室不在でも男系限定は十分、維持できるーーとの意見を見かける。
ただしこれも、4か5の宮家を「つねに」確保していれば(!)という条件つきだ。
だが、それがムリなことは、すでに以前、述べた。
しかも、そうした「多産多死」時代のデータに依拠するのは、時代錯誤と言うしかない。
「少産少死」で非婚率も低くない現実を前にすると、そうした議論が何ら説得力を持ち得ないことは、あまりにも明白だ。
戦後の皇室、旧宮家の実情に目を向けてみれば、もうそれだけで反論の必要もないはずだ(非婚率については、皇室はさすがに低いが、旧宮家の場合、かなり高い)。
現実離れした根拠なき楽観論で皇位継承の危機に立ち向かうのは、慎むべきだろう。