昨日記事にした、日本維新の会・高橋英明衆院議員のXポストの炎上が広がるにつれ、所属政党である日本維新の会がWebサイトに掲載している資料への批判も挙がってきました。
これは、「2019年6月18日(火) 日本維新の会政調会 役員会並びに憲法改正調査会 勉強会(「皇位の安定的継承」について)開催のお知らせ」内の「憲法改正調査会 勉強会資料 「旧宮家 系図(令和元年5月10日)」(正).pdf」というファイルについてのもの。
ご覧の通り、男子である悠仁さまには「親王」の称号が付いていますが、女子には「内親王」の称号を付けずに呼び捨てです(令和元年の資料なので、当時は小室眞子さんも皇族)。
この段階でも非常に失礼と感じますが、図をよく見るとさらにあからさまな「女子差別」に溢れている事がわかります。
まず、この図は現在の女子皇族以外も、歴代天皇の皇后を除いた女子皇族(この画像内は明治天皇の内親王)はすべて呼び捨て。一方で、旧宮家の当主(男子)には「王」の称号を付けています。
あえて推測するなら「結婚で臣籍降下したので称号を外している」という理屈かもしれませんが、もちろん現在の内親王に称号をつけていない理由にはなりませんし、さらに「近年の旧宮家系」の部分を見ると成り立たなくなっています。
例えば竹田家の部分を見ると、
1947年に臣籍降下して一般国民となっている恒正氏、恒治氏(本稿執筆時点で存命中)には「王」の称号が付けられています。
さすがに臣籍降下後に誕生し、一度も皇族だった事のない人物は呼び捨てですが、現在の内親王である愛子さま、佳子さまがそこと同じ扱いなのは、批判されても仕方ないでしょう。
(ちなみに、これは令和元年に配布された資料なのに、年齢や【未婚】は平成24年当時のものという、とても杜撰な作りです)。
そして、さらなる闇深さを感じるのが次の部分。わかりますか?
宮家・公家の出身である昭憲皇太后、貞明皇后、香淳皇后は記載されていますが、民間のご出身である皇后陛下(雅子さま)、上皇后陛下(美智子さま)、紀子さまはお名前すら書かれていません!
この図は、徹底的に女性を軽視、君臣の別さえも蔑ろにし、「男の血」のみに固執した、非常に歪んだ代物です。
「系図」と銘打つと正式なものと誤解してしまいそうですが、出典の部分には「文藝春秋」「週刊新潮」…つまり、雑誌記事などの情報も材料に、都合の良い形にコピペした恣意的なペーパーです。
こんな代物を使って勉強会なんて、いったい講師は誰なのか!というと…
男系男子固執イデオロギーの急先鋒である百地章…納得です。
それにしても、百地章は普段からこんな杜撰な資料を元に講演を行っているのでしょうか?
また参加者である議員も、内容に違和感を覚えず「そうか、旧宮家系男子は特別なお人なんだ!」などと思ってしまったなら、国会議員を担う者としての資質を根本から疑われます。
「立法府の総意」などと大層なものを目指すのであれば、皇統問題についての協議で、こうした偏向的な「勉強会」で多くの国会議員の認識が歪んでいる事について、徹底追求すべきではないでしょうか。