ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2025.4.3 11:33日々の出来事

シニシズムについて、このように考えるわし①

ニヒリズムというのは虚無主義だから、世界も人生も
すべて虚無と思うのは、なかなか難しい。

シニシズムは冷笑主義だから、何事にも本気になれない、
真剣に考えることが馬鹿馬鹿しい、どうでもいいという
突き放した態度になる。

最近はこのシニシズムがとことん蔓延しているなぁと感じる。
ウクライナ戦争のことだって、トランプのゼレンスキー侮蔑
のことだって、中居・フジテレビのことだって、「刺激」を
感じて興味を持つのは一瞬だ。
あっという間に関心をなくし、どうでもよくなってしまう。

SNSのせいで、あっという間に情報が拡散し、人々の感想も
拡散し、テレビがパネルを用意して、詳細に伝えてしまう
頃には、もう飽きている。

SNSではアクセス数を稼ぐため、刺激の強い話題を、刺激の
強い報じ方で、なるべく短絡的に流布させるから、誇張
しすぎてもはやデマになったり、罵詈雑言になったりして、
とにかく「煽情的に」報じることを競い合っている。
人々は刺激が強い情報をこそ面白がり、楽しみ、信じて
しまい、拡散され、あっという間に飽きてしまう。

みんな飽きる、飽きる、飽きる、なんでもどうでもいいと
思うようになる。「思想」をしない。
4月20日(日曜)「ゴー宣DOJO in横浜」の議論も、応募が
突然途絶えてしまった。
トランプが乗り出して、これでプーチンが停戦を受け入れて、
解決するとでも思っているのか?

ウクライナ戦争がどのように推移し、決着するのかは、日本の
運命にモロ被って来るが、日本人が関心を持って今から備え
ようなんて全く思っていなさそうだ。
気が付いたときにはもう遅い。ウクライナと同じ運命を辿る
という未来が待っているのかもしれない。

でも今は無関心、今はシニシズムでOK。
そういうことかもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

次回の開催予定

第122回

第122回 令和7年 4/20 SUN
14:00~17:00

テーマ: ゴー宣DOJO in横浜「ウクライナ戦争と国際法の行方」

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