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笹幸恵
2025.3.30 01:02日々の出来事

『SPA!』倉山記事〜「So what?」どころか、ただの「What?」

少々遅れましたが、『SPA!』4/1・8号の倉山記事。
今回は財務省批判。
正確にいうと、
前半は財務省の誤りを暴いたのは俺だぜ自慢。
後半は財務省解体の肝を俺が教えてやるぜマウント。

まず前半、緊縮財政の根拠となる数値のカラクリを
暴いてみせているのだが、そのツッコミに思わず
「おまいう!?」となった。


(数値の計算の仕方を指摘した上で)
これでは答えを(税収弾性値)1・1にする為に
計算式を探しているようなものではないか。

こういう小細工ね、「皇位は例外なく男系継承」
「皇室は男性排除の世界」という持論のために、
歴史を恣意的にしか見ない倉山とそっくり!!!

(税収弾性値の数値について)
この事実を突きつけると、答弁書(中略)の後、
19行に渡りド〜でもいい文章を続けたが、無視。
こういうのを”霞が関文学”と言って、認めたくない
重要な事実を逆接の接続詞の前に置いて、目をそらす。

あら、欺瞞的文章のカラクリもよくわかっていらっしゃる。
皇位継承問題で与党に阿った答弁しかしない内閣法制局の
発言も、ぜひその調子で分析してほしい。
自分にとって都合のいい”霞が関文学”はスルーなんて、
ありえませんわよね?


そして後半。
説明するのに適切とはいえない事例や、
よくわからない言説を持ち出して、
「国家=政府=官僚」の図式を作り、
「なぜ試験に受かっただけの官僚が国家を体現するのか。
国民に税金で雇われただけの使用人のくせに」
と、いきなり口汚く罵っている。こういうとこ、本当に編集担当者が何とかしなさいよ。
だけど「国家=政府=官僚」かなあ?
官僚が国家を体現しているのかなあ?
私は一度そう思ったことがないけども。
自分で話を大きくして、その大きく膨らませたところを
罵倒するというマッチポンプ・ピン芸を披露。

そして、現在の財務省解体デモについて、
上から目線でアドバイス。
曰く、

では、どうするか? 官僚幻想の打破だ。

官僚機構の弱点は、世論が一つの方向に流れたときは、
情けないほど抵抗力を無くすことだ。ならば、
世論を作ればよい。作った上で正しい方向に
導けばよい。

で、まとめ。
日本政府の政権担当能力を疑う言論を
広めると、効く。


「So what?」どころではない、
ただの「What?」だ。

財務省を解体するには官僚幻想を打破すればいいのか?
官僚が無謬の存在ではないことを知らしめれば、
計算式を誤魔化さなくなると?
それって「日本政府の政権担当能力」の話か?

日本語が下手すぎて、意味が通じない。

国民に対しては、
「お上に任せていれば安心」などという発想は
いい加減にやめよう、しょせんは甘えなのだと
説くべきではないのか。
官僚機構に関しては、日本人にありがちな
強烈なムラ意識が今なお残り、
それゆえの隠蔽体質を問題視しなければ、
計算式のカラクリを暴いてみせた甲斐がない。

深く考えられないから、弱点を突くぐらいしか思いつかない。
あ〜情けない。

19行どころではない。
こちらは152行にわたりド〜でもいい文章を読まされている。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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