昨日の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」では、国民民主党の玉木代表(役職停止中)から(女性皇族の配偶者や子について)「一代限りの準皇族の扱いをしてはどうか」という提案が出たそうですが(とりあえず罵倒略)、
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夫と子どもにも皇族の身分を認めるか…女性皇族が結婚後も皇室に残った場合、与野党で隔たり(読売新聞)
内閣法制局の担当者は憲法上問題があるとの認識を示した事を、終了後の記者会見で玄葉衆院副議長が語ったそうです。
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女性皇族の配偶者と子を「準皇族扱いするのは憲法上問題」…内閣法制局が認識示す 皇族数確保で与野党協議(東京新聞)
そりゃそうだよね。「新しい身分階級」を作るなんて、どうやっても正当化できるはずは無いと安心しかけたのですが…
一方で、憲法1条で人権の制約を受ける天皇に皇族も準ずると考えられるとし、準皇族の人権を制約する場合はどのような理由が許されるのか、検討が必要との見解を示したという。
(同・東京新聞記事より)
と、前言とどうやっても整合性のとれないトンデモ見解が飛び出したそうです!
準皇族という存在が違憲というのに「準皇族の人権を制約する場合はどのような理由が許されるのか」の検討が必要というこれ以上ない程の矛盾。理屈はさっぱり通りませんし、皇族ではないけど人権の制約は受ける「被差別階級を作る理由を検討」と言っているようにしか聞こえません。
また、内閣法制局が準皇族を違憲とする根拠は「憲法14条2項 華族その他の貴族の制度は、これを認めない」だそうですが、そうであれば旧宮家系の子孫を皇族にする事が同じ憲法14条の1項における「門地による差別」にあたらないというのは、非常に恣意的なダブルスタンダードです。
さらに衆議院法制局からは「準皇族的な待遇を1代限りで付与することも考えられる」という説明が出たそうですが、違憲になるものを「的な待遇」という名目で正当化するなんて、立憲主義を根本から否定する蛮行じゃないですか。
なんだこの欺瞞の連鎖は!
両法制局の対応は、間違いなく「わかった上でやっている権力への忖度・強弁」なので、男尊女卑に脳髄まで侵されてパーになっている男系男子固執よりも、はるかに大きな闇を含んでいます。
皇位継承問題は日本の根幹に関わる事柄だけに、そこから垣間見える闇もこの上なく深いもの。議員の立場にある人がこれに目を瞑るのは、欺瞞への加担と同じです。
こんなデタラメ、静謐に終わらせないぞ!