Abema Timesに
こんなタイトルの記事が載っていたので、「お?〝拠出金を使うな〟なんて言って世界に大恥をかいた外務省の対応を糾弾する質問でも出たか?」と期待して読んだのですが、鈴木隼人衆議院議員の質問は
今回の事案は我が国の国体の変革を図ろうとする企てだ。やっていいことと悪いことがある。今回の女性差別撤廃委員会による要求は、女子差別撤廃条約の締約国に対する審査の中で出てきたもの。すなわち、我が国がこの条約に加わっていることが仇となり、かかる攻撃を招いているのが実情ではないか。私も女子差別撤廃条約に加わることの意義は否定しない。しかし、条約に加わることと国体を守ること、一体どちらが大事なのか? 私はこの女子差別撤廃条約の破棄も含めて、さらに踏み込んだ対応が必要だと考えている。
という、何とも〝勇ましい〟ものでした。
まず、本気で条約から脱退する気概もないクセに喚き立てている者たちと比較すると、鈴木議員は「女子差別撤廃条約の破棄も含めて、さらに踏み込んだ対応が必要」とまで言っている事自体は「筋が通って」はいます。ぜひ、今後も選挙その他の場でそれを声高に訴え続けて、国民の「判断」を受けてください。
さて、私が気になったのが、鈴木議員が繰り返し用いている「国体」という言葉の中身です。
女性差別撤廃委員会からの「recommend」が「国体の変革を図ろうとする企て」だということは、鈴木議員は「女性が皇位継承できるようになる事は、国体の変革である」というお考えなのでしょうか?
国体を「独立国家としての在り方」と捉えるなら、冊封体制の中で強大な覇権を持っていた隋の皇帝に「東の天皇、慎みて西の皇帝に白す」と対等なスタンスで臨んだのは、女性天皇である推古天皇(「天皇」という号自体がこの時初めて用いられた)です。
つまり、「日本」という国家そして国体の成立において、最大級の功績を残しているのが、他でもない女性天皇です。
言ってしまえば、日本の歴史と共にあった8人10代の女性天皇の存在を無視して(しかも、欧米列強との対峙という一時の情勢のために)男系男子限定にしてしまった明治の典範のほうが重大な「国体の変革」ですし、国民の8割以上が女性天皇を公認する状況に「政治だけ」が抗うのは、日本の国体の非常に重要な要素である「君民一体」に反します。
鈴木議員の言う「国体」とは一体どんなものであるのか?皇統問題で議論する上での「根」の部分として、ぜひお聞きしたいです。