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笹幸恵
2024.12.26 15:53皇統問題

男系男子は「伝統」ではなく「Y染色体信奉」である!

週刊文春(新年特大号)特集
「悠仁さまを揺さぶる”愛子天皇”極秘計画」。

いきなり「総理は愛子天皇を容認する考え」で、
「懐刀に”ある指示”を出した」などと書くから
石破首相が何か指示を出したのかと思ったら
8年前のできごと、安倍晋三の話だった。
紛らわしい。

その安倍晋三、愛子天皇容認でも、その子どもに
皇位を継承させるわけにはいかないと考えていた。
なぜなら神武天皇につながるY染色体がないから!
杉田官房副長官に指示を出した。
「旧皇族の男系男子を探せ!
そうすれば子ども(ただし男)は、男系男子になる!」

伝統でも何でもないのにダンケーダンケーと叫ぶ自称保守、
やっぱりY染色体を信奉していたんじゃないの。
人間の身体は「Y染色体の器」でしかない。
その人間がどう生き、何をしてきたかは関係がない。
Y染色体があるから尊いのだ!!!
皇室はたった1つのY染色体で受け継がれてきたのだ!!!
そのために皇族の人生がどうなろうが知ったこっちゃないのだぁぁ!!
…これがその言い分であり、Y染色体信仰、まさしくカルト。

そもそもY染色体などという概念が古代にあったと
本気で思っているのか?

欠史八代の間も、Y染色体が連綿と受け継がれてきたなどと
本気で思っているのか?

天皇はY染色体があるから国民の尊崇を集めていると
本気で思っているのか?

そもそも、女系天皇をすっ飛ばして
男系だけで血筋を辿ろうとする発想そのものが、
「天皇であること」より「男であること」を優先した男尊女卑。
それは文字どおり「男尊」であって、「尊皇」ではない。

聖域で育った愛子さまより、男のY染色体を優先するなど、
天皇・皇族を「生身の人間」と思っていたら到底できない仕打ちだ。


しかも安倍晋三は、2016年の生前退位の報道が
寝耳に水だったことから、
秋篠宮家がリークしたのではないか、
生前退位の仕組みを作ってしまえば、
兄が自分に皇位を譲りやすくなると考えたのだ、とか
とんでもない妄想を炸裂させている。
臣下として信がなかった自分を省みるどころか、
自分の意のままにならないからといって
陰謀論に傾くなど、尊皇心のカケラもない。
これが保守だなんて、笑わせんな。
逆賊そのものではないか。


なお、記事では「安倍氏のブレーンとして知られる」八木秀次が
しれっと「愛子さまと旧皇族の男系男子が結婚されるのが
一番いいと安倍氏と話していた」などとコメントを寄せている。
八木は、つい最近も愛子さまの23歳のお誕生日に際して、
賀陽家の息子がお相手候補だと無責任な発言を繰り返している。
23歳を迎えられた「愛子さま」 気になる「お相手候補」は?
取り沙汰されてきた「天皇陛下ご学友」の子息、「華道家元」のイケメンプリンス
https://news.yahoo.co.jp/articles/34d5c620a2952b8a5a3cc5c0494716c4a66134c7?page=1


八木は表立って言わなくなってもY染色体信奉者=カルトだ。
それを鵜呑みにした安倍晋三も、
今なお「男系男子が伝統だ」などと言い張る、
自民党を中心とした自称保守連中も、
結局行き着くところはY染色体!!!

異常、
異常、
異常!!!!

男系男子を声高に叫び、女系を認めない連中は、
歴史に対する謙虚さも、人間への洞察も、その叡智への理解も一切ない、
とことん劣化した頭脳の持ち主である。



笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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