週刊文春 2025年1月2日・9日合併号(筆者は電子版で閲覧)に掲載されたこの記事のタイトルとリード文。
「愛子さまに相応しい、Y染色体を持つ旧皇族の青年を」。総理が懐刀に指示し、女性天皇誕生に向けた計画が――。
まず咄嗟に込み上げたのは、比喩ではない「吐き気」でした。
皇族のご結婚相手を勘ぐるような記事も嫌いですが、これには覗き見根性をはるかに超えた、皇族を人間としてではなく、まるで家畜の繁殖のようにしか見ない極めてサイコパス的な狂気しか感じられません。
「キャッチー」(もちろん皮肉です)な冒頭の後は、しばらく悠仁さまの筑波大学への通学に関する話題が続きますが、その最後で京都産業大学の所功は
20歳前後は非常に大事な時期。今の天皇陛下が父である上皇陛下のなさりようを間近に学んでこられたことを見習ってほしい。ただ、悠仁さまにとって天皇陛下は伯父。親から子なら伝えやすかったことも、伯父と甥となれば難しい。これから悠仁さまが遠方の筑波大学まで通われるとなれば、時間的にもなおさら難しくなる。できるだけ父の秋篠宮さまとともに皇居に出向かれ、天皇陛下から直接に学ぶ機会を増やされることが望ましいと思われる
などと、上から目線で「提言」しています。
一方、記事の後段では
子は親の背中を見て学ぶ。それは、従来の帝王学においても同じだった。いま、天皇の背中を最も間近で見ている存在――それは、長女の愛子さまに他ならない。
しばしば慣例を打ち破ってこられた悠仁さまとは対照的に、愛子さまは、不登校や“激ヤセ”といった困難もありながら、従来の皇室像を体現するかのように成長された。
じつは愛子さまは女子中等科の頃、“女子高等科では米国に留学したい”と希望されていた。しかし、皇族は大学で英国に留学するのが慣例です。結局、その希望は断念されていました
愛子さまは学力が高いとされたこともあり、大学進学にあたって、学習院以外の大学に進まれるのではという見方もあった。しかし結局、大学も学習院に進まれました
として、両陛下の愛情のもと、愛子さまがあらゆる研鑽を重ねて来られた事について書かれています。
これは、普通に考えれば「次代の天皇は愛子さまにというのが皇室全体としてのご意向なのであろう」と拝察するのが自然です。
それは、悠仁さまにとっても、皇族としての務めと研究を両立させる、昭和天皇以来の在り方の継承と、個人の幸福の面でも最良の形であると私は考えます。
さて、記事はこの辺りから怪しくなってきます。
2016年8月に、当時の天皇陛下(現:上皇陛下)が生前退位のご意向を表明した際、
政権を担っていた安倍晋三首相(当時)は、あらゆる可能性を視野に、皇室典範改正を検討していたという。事情を知る当時の政権中枢が、小誌の取材に初めてこう証言する。
「安倍総理は、皇位継承を途絶えさせないためには、女性天皇、すなわち『愛子天皇』の誕生も容認する考えでした。それほど幅広く、さまざまな選択肢を検討していたのです
実際には、生前退位のご意向すら妨害しようとしていた安倍晋三(詳しくは「天皇論 平成29年」を是非)にそんな思いがあったかは疑問ですが、「皇族になりたい意思をもつ旧宮家系子孫はいない」という事がほぼはっきりしていたであろうこの時期、安倍が「別の方策」を考えていた可能性は考えられます。
しかし、その「方策」はこれまた不気味な方向に進みます。
仮に愛子天皇が誕生したとしても、その子どもには、男性固有の「Y染色体」が受け継がれない。神武天皇以来、男系男子が受け継いできたとされるY染色体をもたない子どもに対し、皇位を継承させるわけにはいかない。つまり、愛子天皇誕生のために皇室典範を改正しても、その子に皇位を継承させられない以上、皇位継承の問題は解消されないのだ。そこで安倍氏は、こんな“禁断の指示”を出した。
「愛子さまに相応しい、Y染色体を持つ旧皇族の青年を探せ」――。
まさに「Y染色体の狂信者」…。
Y染色体の理屈は散々その荒唐無稽さが指摘され、今では低レベルなネトウヨ(またはそれに準ずる知的レベルの者)か、トンデモライターの竹内久美子程度しか喧伝していません。
Y染色体の与太話を最初期に言い出し、おそらく安倍にも吹き込んだ重宝人の八木秀次でさえ、この記事のコメントでは「Y染色体」については全く触れていません。トンデモ説をばらまいておいて、形勢がまずくなると放置してしらんぷり。学者の姿勢として最低ですね。
結局、安倍晋三の腹積もりだった、愛子さまとY染色体(←「人」としてみてないんだからこの書き方が正確でしょう)との政略結婚など成立しようも無いまま、安倍はこの世を去りました。敬虔なるY染色体信者のままで。
自民党議員の中には、長期間に渡った安倍政権下の空気で「なんとなく男系固執」になった人も多いでしょう。
だけどそれは、美しい日本の伝統でも何でもなく、男尊女卑の因習をまるで科学であるかのようにコーティング(近年のヤバメの新興宗教はみんなそれやるよね)「Y染色体カルト」でしかありません。
その教義を初期に触れてまわった八木秀次などはすでにYから逃亡していますが、男尊女卑エッセンスだけが自民党に浸透しきってしまい、皇室を危機に陥れ、国際社会からは白眼視され、大多数の国民の思いいを踏みにじるという最悪の状態となっています。
男系男子絶対を唱える自民党の国会議員諸氏!いいかげん「Y染色体カルト」の洗脳から目を覚ませ!このままだとあなた達は「政権内反社会組織」だ!