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大須賀淳
2024.12.17 10:43その他ニュース

インドのメディアが日本の皇位継承問題に言及

インドのメディア「Business Standard」が、悠仁さまが成年皇族になられたニュースの中で、日本の皇位継承問題を冷静に解説しています。

Hisahito becomes 1st Japanese royal male in 40 yrs to reach adulthood

(悠仁さま、日本の皇族男子として40年ぶりに成人に)

 

まず冒頭のリード文から、男系のみの継承は側室の存在によって成立していたという見解を提示。


Critics say those measures would have a limited effect as long as the male-only succession is maintained because it was workable largely with the help of concubines in the pre-modern era

批評家たちは、男系のみの皇位継承が維持される限り、これらの措置の効果は限定的だと指摘している。なぜなら、それは主に前近代において側室の存在によって成り立っていたものだからだ。


 

第三者による冷静な視点でもこの結論。「でしょ?」の一言に尽きます!

 

男系男子のみの継承という制度により危機が訪れているにもかかわらず、政府は「女性に頼らない方法」(柔らかめに表現しているけど、女性天皇を排除という事ですね)について議論している現状も指摘。


His status as the last heir apparent poses a major problem for a system that doesn’t allow empresses. The government is debating how to keep succession stable without relying on women.

悠仁さまが現時点で最後の皇位継承資格者であることは、女性天皇を認めない制度にとって大きな問題となっている。政府は、女性に頼らずに皇位継承を安定させる方法について議論を続けている。


 

上記を読むと、皇位継承の形について決定権を持っているのは、皇室ではなく政治(国会)であるという事がちゃんと認識された記事である事がわかります。

 

皇室典範の規定により、今上陛下のお子さまであり国民にも慕われている愛子さまには継承資格が無い点も記述。


The 1947 Imperial House Law, which largely preserves conservative pre-war family values, only allows a male to succeed to the throne and forces female royal members who marry commoners to lose their royal status.

His older cousin, Princess Aiko, the only child of Naruhito and his wife Masako, a Harvard-educated former diplomat, is the general public’s favorite as the future empress. But the existing law forbids her to take over that role even though she comes from a direct line of descent.

1947年に制定された皇室典範は、戦前の保守的な家族観をほぼ温存しており、皇位を継承できるのは男性のみで、平民と結婚した女性皇族は皇族の身分を失う。

(悠仁さまの)従姉妹の愛子さまは、今上陛下と、その妻でハーバード大卒の元外交官である雅子妃の間の一人っ子で、将来の女性天皇として国民に期待されている。しかし、現行の法律では、直系の血筋であるにもかかわらず、彼女がその役割を引き継ぐことは禁じられている。


 

一度は決まりかけた女性天皇の公認が棚上げにされた事や


An earlier proposal to allow an empress after Aiko’s birth was shelved as soon as Hisahito was born in 2006.

愛子さまご誕生後に出された、女性天皇を認めるという以前の提案は、2006年に悠仁さまがお生まれになるとすぐに棚上げされた。


 

政府の有識者会議が「保守派」だけで固められた点なども、しっかり認識されています。


A largely conservative government-commissioned panel of experts in January 2022 recommended that the government propose allowing female members to keep royal status after marriage as a way to prevent the declining population within the imperial family, while adopting male descendants from now-defunct royal families to continue the male lineage with distant relatives.

2022年1月、保守派の多い政府の有識者会議が、皇室内の人口減少を防ぐ方法として、女性皇族が結婚後も皇族の身分を維持できるようにする一方、現在は廃絶した皇族の男系男子を養子として迎え、男系男子の血統を引き継ぐことを政府に提言した。


 

私は「外圧によって皇位継承問題が動く」事は望ましい形ではないと考えますが、世界は確実に日本の皇統問題に注目しています。

 

しかも、それが因習への固執により危機を迎えているのは、皇室のせいでも国民のせいでもなく、政治の責任である点もきちんと認識されています。

 

インド版おぼっちゃまくんの大ヒットで、親日家が増えてインドと日本の親交がいっそう深まる可能性がどんどん育っている現在。日本に興味を持ってくれた人々に「こんな旧弊まみれの国だったのか」とがっかりされるような哀しい事態は、何としてでも避けたい所です。

大須賀淳

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