『WiLL』2025年1月号に、国連女子差別撤廃委員会の
皇室典範改正勧告についての記事が載っている。
ひとつは古森義久による『国連幻想に縛られる日本人』。
こちらは「国連がまた不当な干渉をしてきた」として、
国連がいかに役に立たない存在かを縷々述べている。
「United Nations」を国際連合としたのは誤訳だとか、
戦争の抑止に無力だとか、汚職がはびこっているとか、
先日の読売新聞と同じ手法で、国連を貶めることで
改正勧告を無意味なものとしたいのだろう。
国連が万能な組織だという前提がなければ
成り立たない論だが、そんな、国連に幻想を抱いている
脳内お花畑の人間がどれほどいるというのか?
最後は「日本は国連の現実を直視しなければならない」と
締めくくっている。
で???
古森氏には、皇室典範改正勧告を妥当とする考えの人間も、
「単なる国連幻想を抱いた人」としか映らないのだろう。
何という単純な思考か。
国連に幻想を抱いてなくても、無力であることを知っていても、
「いちいちうるさいよ」と心の中では思いつつも、
「これに関しては国連のほうが理があるね」と
是々非々で考える人がいることなど、思いもつかないのか。
「日本を知らずに決めつけるな!
どうせ役に立たない組織のくせに!!!」
言っているのはこれだけ。
続いて『国連の対日干渉をハネ返す!』と題して、
葛城奈海、佐波優子、sayaによる“三姉妹”座談会。
この三名は、揃ってジュネーブに出かけ、
葛城氏は着物姿で「天皇は祭祀王だ」と
NGO公聴会でスピーチしている。
それが35秒と短かったのに左派グループは1分半だったとか、
左派グループが多かったので拍手の大きさも人数に左右されるとか、
本質からかけ離れた茶飲み話が続く。
そして話がいきなり飛躍する。
( )は笹の心の声。
(改正勧告は)”男女平等”という言葉を使い、日本の皇室という
國軆を破壊しようとしている印象(佐波)
(どういう思考回路でそんな被害妄想が生まれるんだ?)
神武天皇の建国の理念は
「掩八紘而為宇(あめのしたをおおいていえとせむ)」。
天皇は日本国内だけでなく、世界を一つにする
象徴的な存在でもある。だから日本が主導して
国連を正しい方向に導いていく必要がある(葛城)
(何という押しつけがましい上から目線。
密かな矜持として持っておくならともかく、
自分の正義が世界の正義だと思う傲慢さを知れ!)
國軆を維持し、皇位継承を続けてきた日本も、
世界を一つにしようとする勢力にとっては
脅威なのかもしれません(佐波)
(世界を一つにしようとしているのは葛城では?
どういう思考回路でそんな被害妄想が生まれるんだ?)
結局、GHQの形を変えたものが今の国連であり、
日本を弱体化し、分断したいという意志を
一貫して感じます(葛城)
(認知バイアスがヤバい!!!)
二回目、三回目の勧告があり得ると懸念。
メディアが「勧告が出た」と煽ることを
防ぐ必要がある(佐波)
(どうやって?? 言論の自由はどこ行った?
自分が何を言っているか、厳密に考えたことある?)
(皇位継承は)万が一の時に
「じゃあ女性でいいんじゃない?」となりかねない。
天皇・皇族が養子縁組できるよう早急に
皇室典範を改正する必要がある(葛城)
(自称保守が喜びそうな威勢のいい言葉を並べて満足か?
養子縁組が可能になったとして、その先は?
誰がなるの? どこの宮家が受け入れるの?
それとて男がいなけりゃ続かないでしょうが)
ほかにもナゾのやりとりが多いのだが、割愛する。
やたら無駄な不安(脅威に対する煽り)は
陰謀論と片付けられても仕方がない。
何の裏付けもないのだから。
考察と妄想は違う。
また、いくら(彼女たちの)理想論を掲げたところで、
それをどのような手立てで行うか、そもそも実現可能か、
なぜこういう状況になっているのか、そこに考えが及ばなければ、
「平和が大事」と言ってりゃ平和が続くと思っている人々と
何ら変わるところがない。
男系男子による皇位継承は國軆であり、変えてはならない!!!
もう三人の中ではこれが大前提になっているようだが、
何の発展性もない、まさしくカルトの呪文である。
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