ホテルのビュッフェで朝食しようと、ルームキーだけ
持って出かけた。
ウェイトレスが、小林先生ですか?と声をかけてくれ、
大ファンだと、嬉しい、嬉しいと感激してくれていた。
一人でいると、女性ファンに声をかけられることが多い。
タマキンみたいにグラドルには知り合えないが、
わしはもう老いたから、タマキンみたいに肉体目当ての
恋はできない。
昼はパンを食いたいと思い、コンビニで、卵とハムと
カツの挟まったサンドイッチと飲み物をカゴに入れて、
レジに並んだが、財布を持ってないことに気づいた。
ルームキーでは、パン一個も買えない。
悔しいがカゴの中のモノを、元の場所に全部もどし、
涙ぐみながら、ホテルに帰った。
カネがない、わしはカネがなくて、何も買えない男なんだと、
手取りを増やしたい若者の気持ちが分かった。
タマキンの奴、ふざけやがって。