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小林よしのり
2024.11.7 15:02日々の出来事

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』の感想

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』のアニメーション
が送られて来たので、感想を書いておこう。

『おかあちゃまの味』のお話(アニメーション)
これは「肉じゃが」を通して、お母ちゃまやお父ちゃまの
愛情が語られる感動作だが、ロボット和貴子の料理と、
お父ちゃまの料理を比較することによって、愛の深さを
より繊細に深めたお話だ。
よだれを垂らしてニコニコしながら給食を待っている
茶魔や、鼻の穴を広げる茶魔、赤ちゃんの茶魔がめちゃ
可愛い。
柿野くんとお母さんの様子を見て、和貴子お母ちゃまが
恋しくなって泣いている茶魔も、表情や泣き声が切なくて
愛らしい。
「いただきマッスル」で乳首を亀が隠すのが絵的に愉快。
肉じゃがが、とても美味しそうに描かれている。
細かい所だが、シナリオでは柿野くんが剥いた「人参」
の皮が残っているとなっているが、絵では「ジャガイモ」
のように見える。
セリフを変えた方が良さそうだ。

『ジェラシッ子パーク/Aパート』のお話(アニメーション)
漫画原作の、前後編にわたって描かれる大作だ。
鮮やかなカラーになって、めちゃ楽しげで良い!
インドのアニメーターは『おぼっちゃまくん』の
キャラクターを、子供向けに可愛く描くのが
上手い!
茶魔がトレーラーの中から双眼鏡で外を見る時、
双眼鏡が目のようになっているのがクスっと
笑える。
爺やが「ジェラシー」を説明するときの表情や、
ハンカチを齧って破いてしまう表現が面白い。
茶魔語の「ま〜〜ど〜〜しましょう?」
「一滴ましゅ」「みそこねったぞ〜〜」も可愛い。
ジェラシッ子・パークの門に彫られている顔も
一つ一つ面白く描かれていて芸が細かい。
恐竜や化石の絵もさすが上手い。
茶魔がスイカの種をプップップッと飛ばして、
それを貧ぼっちゃまが拾っていくのも、
リズムが独特で面白い。
鼻を鳴らす茶魔の豚のような声や、沙麻代ちゃんの
嫉妬に驚き喜ぶ茶魔もおもしろ可愛くて笑って
しまった。

『入れ替わり』のお話(アニメーション)
茶魔とお父ちゃまが入れ替わってしまう話だ。
入れ替わってしまった直後に、ほっぺや髭を引っ張り
合ったりして、パニックになっている様子が笑える。
それぞれ会社と学校で、中身と外側が入れ替わって
ちぐはぐなのが、いちいち面白くて楽しい。
開発室のアンドロイドたちも、可愛くて滑稽で
楽しい感じが出ていて、とても良い!
巨大なバナナの中からの「おしっこスプリンクラー」
の絵も面白いな。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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