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笹幸恵
2024.11.1 19:30日々の出来事

『SPA!』倉山記事、So What?しかないんですが。

文章には「オタク的作文」というものがあると
思っている。
なぜそれを書くのかという大目的がなく、
知っていることをただただ書き連ねるだけ。
あれやこれやとオタク的知識を披露するのだけど、
結局はそこに
マウント取りと自己承認欲求しかないから、
本質からは離れた小手先作文になる。
読後感は「So What?」(で、何が言いたいの?)
しかない。

今週の『SPA!』の倉山記事はまさにそれ。

衆院選の結果が出る前の執筆、
与党過半数割れの見立てであることに触れ、
しかし民主党はまともな選択肢ではないから
現状は「1.5大政党制」だといっている。
二大政党の片方が弱いから0.5減らしたのだろうが、
なんかそれって正確に現状を表している言葉か?

この前半だけでも「俺っていろいろ考えてるんだぜ」臭が
プンプンしているが、後半はさらにわけがわからない。
与党過半数割れの場合、どこが躍進するのか、
どこが連立するのか、しないのか。
下馬評なんか意味はないのに。

挙げ句、少数与党で政治の空白が生まれるから、
1年以内に再び選挙を行え、
それまでは選挙管理内閣になれ、
うまく運営するために立民から野田代表を
「無任所国務大臣」として入閣させろ…云々。

うん?
誰に言ってるの?
石破さん宛て??

しかも、
野田大臣はこう行動しろ、
制度はこんなふうに融通をきかせろ、
他の野党はこれを与党に申し入れろ…云々。

もう一度聞くけど、これ、
誰に言ってるの?

誰にでも言論の自由はあるから、
夢物語だろうと何だろうと、書く自由はある。
が、思いつき程度の絵空事を
「俺ってこんなに深いこと考えているんだぜ」的な
ニュアンスで書かれても鼻白むだけだ。
図上演習ならぬ、倉山脳内演習を延々と垂れ流されたところで、

「So What?」

しかない。
読者がこれ読んで、どうしろというのか。

 

普通なら、これ、ボツになるレベルだと思うけど。

「倉山先生、やっぱりいろいろ考えていらっしゃるのね」
と思ってもらえたら満足か?



その程度の記事、Twitterで済ませとけ。

 

 

と、これを広島に向かう車中で書いています。
皆さま、明日、広島DOJOでお目にかかりましょう〜。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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