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笹幸恵
2024.10.1 15:42皇統問題

読んでてこちらが恥ずかしい倉山記事

いろいろなことが同時進行で発生し脳内パンク状態。
福岡ライブのダンスのステップも目下練習中。

さて、今さらだけど、SPA!の倉山記事を読んだ。
総裁選の話に皇位継承問題をからめているのだけど、
倉山脳によれば、議員のセンセイ方は
「女系天皇の実現など恥ずかしくて言えない」のだそうだ。
「恥ずかしい」と見出し含めて5回も綴っている。
誰も言っていないことをよくもまあこんなに
決めつけて断言できるものだ。
そしてこれを読んで、まともな読者が
「そうか、女系天皇を言うなんて恥ずかしいことなんだ」
と感じるとでも思っているのか。
マウント取りのいやらしさに全く気づいていない、
その幼稚さにこっちが恥ずかしくなる。

しかも「女帝しか皇族がいなくなった時点で
皇室が滅んだと同じ状態」だなどと、
またもトンデモ妄想を炸裂させている。
そこまで女を排除したがる心性って、何なんでしょうね。
先例だの原理だの、皇室は男を排除するだのと
詭弁を並べ立てたところで、
凝り固まった女性蔑視の心根は隠しようがない。

男系沼に堕ちた石破氏のこともフォロー。
女系天皇容認を言っていたのは
「最悪の事態を想定しなければ気が済まないという
安全保障の専門家だから」なのだそう。
けれども「最悪の事態にならないよう
努力するのが皇統問題の要諦」であり、
「安全保障の考え方はそぐわない」と釘を刺してみせる。
アホか。
最悪の事態を想定しなければならないのは
皇統問題も安全保障も同じだ。
最悪の事態を想定してなお、そうならないよう
努力するのがどちらにおいても要諦だ。

言うまでもなく、最悪の事態とは
皇統が続かなくなること。
そうならないような努力とは、
明治時代に決められた男系男子という縛りをなくし
双系で続けていく、そのための法改正のことだ。

しかし倉山脳は「女帝になったら皇統終わり!」なので、
女を排除することが努力だと思っている。
的外れも甚だしい。


記事の後半は、まさに「語るに落ちる」だ。
立民で皇位継承問題の熱量が低いことを
「興味がないならそれでいい」とか、
政界で「(女系天皇などという)軽佻浮薄な
議論が封じられているのは喜ばしい」などと綴っている。
本当に皇室に敬愛の念を持っているなら、
「興味がないなんて国会議員としての資質を疑う」
ぐらい言ってもいいだろうに。
そして、議論が封じられているかどうかは別として、
本当に封じられていると思うのなら、
民主主義国家としてあってはならないことだという
危機感ぐらいは持つべきだろうに。

この人、憲政史の研究家を名乗っているけど、
何をどう研究しているか誠にナゾだ。
結局、この記事で言いたいことは、
ボクちゃんの陣営のほうが永田町では有利だもんね〜
という、単なる私心のつぶやきレベル。
私には恥ずかしくて逆立ちしても言えない。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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