ソロモン諸島は2019年に台湾と断交、
ソガバレ首相(当時)は中国と国交を樹立した。
最近では治安維持に関する協定も結び、
首相が代わった今も中国寄りの姿勢に変化はない。
ソロモン諸島の中国企業進出の象徴的存在が、
サッカースタジアムやテニスコートなどを擁する
広大かつ近代的な競技場だ。
話には聞いていたが、今回初めて目の当たりにした。
ここは昨年、南太平洋諸国の競技大会
「パシフィックゲームズ」の会場となった。
道路から、でかでかと看板が見える。
よく見ると・・・。
えげつない。
メインロードを西に進むと、さらに仰天。
かつて総攻撃失敗後、日本軍が持久戦のために
布陣した地域一帯が、なんと宅地開発されている!!!
近くのでっかい看板には、部屋数別に間取り図が掲示され、
「NEW CAPITAL CITY」
「THE GOOD LIFE BEGINS HERE」
といった文字が並ぶ。
家族や村落の結びつきが強いソロモンで、
新たにこの地で生活しようとする人がどれほどいるのだろう。
住むのは相当な富裕層か、中国人か?
その他、イル川の河口附近には
「一木支隊奮戦之地」という碑がある。
一木支隊とは、米軍の飛行場占領後、最初に上陸した部隊だ。
河口附近で一木支隊(第一梯団)約800名が戦死している。
これまで碑の周囲は草むらに埋もれていたり、なぜか隣に畑が
できていたり、毎年のように景色が変わっていたのだけど、
今回は激変。中国企業の開発により、附近一帯は工事中。
碑は辛うじて保たれていたけれど、周りは工事で使う砂利が
あちこちで山積みになっていた。
今後、訪れることができなくなるかもしれない。
中国企業進出の前(左)と後(右)
開発を行う企業は「CCECC(中国土木工程集団有限公司)」。
海外各地で土木設計等のプロジェクトを行う大規模な国有企業だ。
首都ホニアラを走るメインロードは、あちこちで工事が
行われていたが、これもCCECCによる。
メインロードの左右で工事が行われている。
道路拡張かと思ったが、水道管工事のようだ。
あっちも中国。こっちも中国。
中国に傾斜する政府のやり方に暴動が起きたこともあったが、
今は一見すると静か。
ソロモン諸島の場合、親中派がイコール反日とは限らず、
親日派が反中とも限らない。
しかし、かつてガダルカナル島や対岸のツラギ島は、
米豪連絡線を遮断するための重要な拠点となり得た。
だから日本はここに飛行場を建設し、米軍と激突した。
その地政学的な価値は、今も変わらない。
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