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トッキー
2024.8.10 07:30お知らせ

『夫婦の絆』感想・蜜子はいつも前向きで一生懸命だ。何だろう、蜜子にあるものは。

FLASH8月20・27日合併号掲載、
『夫婦の絆』感想ご紹介です!!

 


 

 

【リカオンさん】
夫婦の絆の感想です

蜜子が生き霊を飛ばしてしまうシーンは源氏物語に登場する六条御息所を思い出す。しかし、六条御息所の場合は嫉妬のため負の感情、ルサンチマンの挙句生き霊を飛ばしたのだ。

蜜子は違う。蜜子は正の感情で母子を助けるためについには生き霊を飛ばす能力まで獲得した。異世界で沙耶と話し合う異世界のイラストが圧巻だ。美しいが荒涼として恐ろしい死の世界。ルサンチマンの行き着く先を表しているのだろうか。

右のイラストは穂音実島の海岸の岩壁のようだが海に流れ込むように見える川は逆行しているようにも見える。過去に遡り憎しみを育てているために時間が逆戻りしているのだろうか。

左のイラストは地獄のようでいて鬼すらいない虚無の世界。ルサンチマンの行き着く先はこんな世界なのか。恨みや妬み、成功した華やかな者を引きずり落とした先の草も育たぬ荒野に、シュールレアリスティックな岩と化した二人の姿がある。岩永姫の化身である蜜子から、ルサンチマンを脱するよう促すアドバイスも沙耶の心には届かない。二人の涙はそれぞれ意味が違いそうだ。沙耶のは己の不幸に対する涙、蜜子は沙耶を思う涙なのか。

ここで私のルサンチマンがうずく。沙耶をこのように追い詰めたのは男達なのだ。死霊となる事を選ばせたのは誰なのだと怒りがうずまく。だから男性には沙耶を単なる可哀想な女性と思うのではなく、悔しさ切なさを彼女になりきって推し量って欲しい。沙耶(やフェミニスト)のルサンチマンを浄化するのは男性の歩み寄りなのだと思う。それによって沙耶が成仏できる手掛かりが見出される気がする。

一方の蜜子はいつも前向きで一生懸命だ。愛する者を守り力強くどこまでも優しい。私もこの力が欲しい。蜜子のように力強く自分の人生を切り開いて行きたいものだ。
単に優しいだけでは蜜子のようにはなれない。沙耶がかつて指摘したように男に利用されるだけ、都合の良い女になるだけだ。
何だろう、蜜子にあるものは。確信的な前向きの優しさ、それでいて人生を自ら切り開くポジティブな力強さが必要なのだろうか。

そう考えると夫婦の絆を形作るものは、素朴な男と女の歩み寄り。お互いを慮る優しさ。そんな当たり前の結論に達するのだが、今の日本の男女はそれが崩れてしまって、もしかしてこんな素朴で基本的な事ができなくなってしまっているのか。婚姻数の減少は不景気や収入の減少が理由の一つとされているが、巨大な虚無の蔓延も理由になってはいまいか。

今現在一郎と蜜子は良い関係を構築しつつあるように見えるが、一郎の母親の登場でどんな危機が訪れるのか。そして二人はどうやってそれを乗り越えていくのか。
次回を楽しみにしております。

 


 

 

蜜子の「健気」は報われるのか?
どうか報われてほしいと願うけれども、
全く予断を許しません!
次回をどうぞお楽しみに!

トッキー

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