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2024.7.18 07:00ゴー宣道場

小林よしのりインタビュー企画「枯レルヤ-Kallelujah-」第4回「公・私・集・個のマトリクス図」

皆様注目のブログ連載
小林よしのりインタビュー企画
「枯レルヤ-Kallelujah-」
今回から第2シーズンです!
「老い」を始めとして、他にも様々な話題も展開していく「枯レルヤ」ですが、今回は、いまどうしても語っておかなければならなくなった「民主主義」と「お仲間主義」について語っていきます!

 

 

7月13日収録。
色分けは、よしりん先生ちぇぶさんみなぼんさんトッキーさんケロ坊、です。

 

●公・私・集・個のマトリクス図

よ:『枯レルヤ』は、まだ老いの話を突き詰めてないね。

ケ:老いといえば、バイデンがやばい件がありますが・・・。

み:バイデンやばいですよね。ウクライナのゼレンスキー大統領を紹介するときにプーチンて言っちゃうなんて。

よ:とんでもなく失礼な話だからね。

ちぇ:認知症の老人を国のトップにしてしまうのも民主主義なんですよね。

ケ:民主党支持のジョージ・クルーニーが、バイデンに撤退するように言ったというニュースを見ましたよ。

よ:今日は民主主義とお仲間主義の違いについて話しておこう。最近ではK氏(※1)が、仲間と「私」が一番大事だとか言って、「公」のことなんか考えないような状態になってしまったからね。
 ちょっと、図で説明しときたいけど、

 これは前からわしが言ってることなんだけど、この図のことが本当にわかっていたら、いろんな場合に応用できるんですよ。
 縦軸の一番上に「公」があって、その反対は「私」。横軸に「集」があって、その逆に「個」がある。
 それで「お仲間」っていうのは、「集」なわけです。お仲間のかたまりが一番大事で、「私」が大事って言ったら、右下のエリアしかない。そうしたら、もう「公」の方には行かない。「個」にも行かないよね。
 「個」ができないし、「公」にも向かっていかない。「集」と「私」だけで完成しちゃう。そうなると、これがマトモな意見になるわけがないよね? だから「Kさん素晴らしい、素晴らしい」とか、みんな言ってたわけじゃない。K氏を中心にした「小王国」になってしまっていたわけだね。
 しかも現代では承認願望が強い人が多くて、みんな「私」を認知してほしいという感覚がものすごくあるわけでしょ? だから「私」のひとりひとりを大切にすれば、「お仲間」で結束できるけれども、これはもう絶対に公論には結び付かないし、個も確立しない。 それはダメだってわしは昔っから言ってるわけですよ。
「個」を持たなければダメだし、それで「公」に向かっていかなければいけない。「個」の集まりの「集」ならば認めると、薬害エイズ(※2)の時にわしは言ったわけですよ。しかし「個」ができなかった。お仲間主義になってしまった。
 でもゴー宣DOJOでは、ひとりひとりが社会の中で活躍できる「個」になって、それが集まっているから「公」に向かっていけるわけだよ。「集」と「私」だけだと、絶対に「公」に行かない。

ちぇ:「お仲間主義」は議論ができないから。相手の意見に対して指摘することも批判することもできないから、絶対「公」にならないんですよ。

よ:そうそう。「民主主義が大切」って言うんだったら、民主主義の基本は議論だけど、議論を「喧嘩」と勘違いしている人には、内部で議論をしていたら「内部分裂」に見えちゃうんだよ。

ちぇ:そう見えちゃうのなら、基本的に日本人は議論ができないということですね。先生は、人格批判なんかしてないじゃないですか。あくまでも意見に対して指摘とか批判をしているのであって、そんなことは議論として当たり前のことなのに、それをすると相手を攻撃していると言うんでしょ? 人格攻撃に見えるんでしょ? 日本人って誰も議論できない。

よ:だから倉持氏と金塚氏のあの議論(※3)聞いてて、少なくとも金塚氏の意見は100万%間違ってるとわしは思うし、おかしいと思ったことは絶対に指摘しないといけないわけですよ。金塚氏は日本人にとっての「自虐史観」を言ってるわけだから。フランスは素晴らしいと。行き詰ったらフランス革命に戻ればいいと。

ちぇ:すごいよね。民主主義がいいって言ってるのに、ギロチン主義がいいって言ってるんでしょ? おかしいよね。

よ:日本はダメだ。戻るところがない。明治とかに戻るのか? そうしたら極右だと、金塚氏は言うわけだよな。 そうしたら、そんなムチャラクチャラな意見はおかしいと、本当は倉持氏がその場で言わなきゃいけないんだよ。
それを全然そのまま通してしまって、しかもゴー宣DOJOの門下生もそれを聞いているのに、おかしいと思わなかった者がいっぱいいるわけ。これは大問題ですよ。そもそもわしの意見と全然違うこと言ってるんだからね。革命思想をものすごく賛美しているわけであって、みんなで暴力革命起こしましょうと。天皇制倒しましょうと。天皇をギロチンにかけましょうと言ってるようなものなんだよ?
もうわけがわからないよ。倉持氏は日本の皇統を永続するため、安定的にするために頑張りましょうと言っておいて、もう片っ方では金塚氏が、王様をギロチンにかけたから素晴らしいと言ってるわけでしょう?
 結局、民主主義というのは、フランスにおいては共和制なんですよ。王を殺してしまって歴史を断絶させたから、後は共和制しかない。 
 アメリカも歴史を断絶させている。イギリスから分離させて、王制を否定して共和制にした。だからアメリカは左翼ですよ。フランスはもちろん左翼。極左です。
 他もロシア革命をやって、中国革命をやって、文化大革命もやって、歴史を分断していった国は全部、左翼国家です。
 だけど日本は共和制ではない。でも民主制はある。歴史を断絶させてないのが日本。で、イギリスも王制を残しているからね。日本と一番近いのはイギリスで、スペインも王制か。そういうところは日本と近い。立憲君主制ですよね。憲法があって、君主制が残っている。そのくらいは初歩中の初歩の知識なんです。
 だから金塚氏・倉持氏が議論をして、たったそれだけのことが出てこないというのは、相当に未熟だと言わななければ仕方がない。そこを指摘して議論ができますか?ってわけね。議論しなかったら、お仲間主義なんです。
 でも外から見たら、誰でもこれをすぐ「内部分裂」と取るんですよ。だからわしは、倉持氏を排除する気は全くないと断言しておきます。高森氏も排除する気はない。けれども、意見が違うものは、かっちり意見が違うんですよね。

ちぇ:仕方ない。先生とは別の個だから。

よ:わしは皇統問題では、もう「啓蒙」というのはほとんど役に立たないと思っている。みんな答えは知ってるよという状態なのに、まだ啓蒙だけして、何とかなるなんて思わない。そこが高森氏との相違点だよ。
 まず国民の後押しというのは絶対に必要だから、国民を集合させて、世論を天皇制維持、愛子さま万歳というところまで持っていかなければいけないと思っていたけれど、もう90%が女性天皇賛成になっているのなら、もう啓蒙の意味はなくなっちゃったんだよ。
 そもそも政治家だけが邪魔してるわけで、民主主義さえやろうとしない、多数決さえ無視するようになっている。しかも、側室なしの男系限定では必ず滅びる。そうなるとこれはほとんど皇室破壊の極左と同じでしょ。カルトですよね。
 だから「これはカルトだ」ってそろそろみんな言わないといけない。「男系カルト」だと。全然実現可能性の無いことを言ってるんだから、あれはカルトです。今、カルトに染まってしまった政治家だけが邪魔してるわけ。そうしたら、政界工作をするしかないじゃない。
というわけで、菅野志桜里さんと「皇統クラブ」というのを立ち上げることにした。この名前もわしが勝手につけたんだけど、そうやって、「皇統クラブ」の仲間を増やしていくという戦略を取っていくしかない。
 ただここで難しいのは、菅野さんが「全部抱きしめてほしい」と言うわけ。

ちぇ:男系派の政治家が、こっちの直系派になるんだったらいいですよ、全部抱きしめても。

よ:全くそうなんですよ。だからわしは男系派だろうと、直系派にして抱きしめようと思ってるわけね。
 でもそこで問題なのは、菅野さんに言われたんだけど、男はわしを怖がる、と。

ちぇ:知るか!(笑) 関係ないでしょそんなの。

よ:女はわしを怖がらないと。

ちぇ:知るか~っ

よ:だからちぇぶにナメられてる(笑)

ちぇ:ナメてなんかいないですって(笑)

よ:そういうものかもしれない、菅野さんから見たらね。女は小林よしのりを怖がらない。男は怖がる。

ちぇ:じゃ怖いから議論ができないんですか? ハハハ、くだらねー。

よ:菅野さんに言わせれば、男系派の政治家の中にも、わしに影響を受けている者がいるらしいんだ。

ちぇ:まあネトウヨがそうだから(笑)。『戦争論』でネトウヨになっちゃった人はそうだよ。だって、先生の『戦争論』大好きってすごくツイートしてるのもいるもんね、男系派だけど(笑)。


※アンチは取り上げると承認願望で喜んでしまうのでモザイクをかけています。

 

よ:「日本共産党だけを頼りにして」って、どういう意味? 共産党なんか一切頼りにしてないんだけど。

ト:政党で「女性・女系天皇賛成」を明言してるのは共産党だけだから、ネトウヨ界隈では「女性・女系天皇」の主張は「共産党の陰謀」ってことになってるんですよ(笑)。

よ:でも国民の90%が女性天皇支持でしょうが。

ト:国民の90%が共産党になったと思ってるんじゃないですか(笑)。

ケ:『戦争論』はよかったけど『天皇論』はダメだったって言うんですよね。

ちぇ:それが男系派なんですよ。バカなことを言う(笑)。

ケ:そういう奴をどうやって抱きしめりゃいいんですか。

ちぇ:まあいいよ、今からでも変わってくれれば全然抱きしめますよ、そういう意味では支持しますよ、直系派になってくれれば。

ケ:じゃあ、向こうが男系派のまま抱きしめてってどういう意味なんだってなりませんか? とにかく君のことは好きなんだよ、みたいなことを言うってことですか?

ち:気持ち悪っ!(笑)

み:でもいま男系の政治家とかが意見を変えるとするじゃないですか。先生の説得を受けて「あ、わかりました」ってその場ではなっても、西田昌司(自民党・参議院議員)みたいに、結局それを表明した途端に男系のネトウヨとかからバッシングされて、それは引っ込めちゃうみたいなこともあったから。結局そこを耐えられるかどうかってその政治家の胆力にかかっているというか。
 こっちは別に、変わってくれたら抱きしめる準備は出来ているのに、その政治家本人に耐えられる胆力がなかったら、個がなかったら、またそっちに行っちゃうっていう話で。

よ:だからさっき描いた、あの図なんだよね。個が出来上がらなくて、お仲間主義で出来上がっちゃっているから。このお仲間主義っていうのは、皇統問題でも全く同じなんですよ、結局は。
(次回に続きます!)


※1)K氏
「ゴー宣ファン」を標榜するサイトで、独自のコミュニティを形成していた人物。小林よしのりも特に情をかけて長年交流していたが、ゴー宣の思想とは全く異なる言動が目立つようになり、今年5月、小林は「そろそろわしの『情の貯蓄』が底をついた」と宣告した。

※2)薬害エイズ
1995~96年、薬害エイズ事件で国と製薬会社の責任を追及する裁判を支援する「HIV訴訟を支える会」の代表を務めた小林よしのりは、抗議運動など参加する学生たちがイデオロギー団体に取り込まれることを警戒し、これは「個」の連帯による運動であり、目的を果たしたら直ちにそれぞれの「日常」に還るようにと訴えたが、結局、学生たちは日常に帰ろうとせず、「集団」に埋没していった。そこで小林は運動を総括するため『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 脱正義論』(幻冬舎)を出版。

※3)倉持氏と金塚氏のあの議論
弁護士・倉持麟太郎氏と、弁護士(フランス法専門)・金塚彩乃氏による、7月9日配信のネット番組 『フランス下院選挙から診る民主主義の限界と必然』 倉持麟太郎の「このクソ素晴らしき世界」#127 presented by #8bitNews内における議論。
https://www.youtube.com/live/oM-OE5X-wZg

 

【バックナンバー】
第1回 枯レルヤとは
第2回 過去を忘れる理由
第3回『若さと夢と「数字は数字」』

 


 

 

集団性が強く「和」を尊ぶのが日本人。
それはプラスではあるけれども、マイナスに出れば、議論ができないということになり、議論ができないということは、民主主義が成立しないということになってしまいます。
これをどう克服するかというのは、ある意味日本人の永遠のテーマと言えるかもしれません。
この重大テーマに、よしりんはどう切り込んでいくのか?
次回もどうぞお楽しみに!

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