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2024.7.11 07:00ゴー宣道場

小林よしのりインタビュー企画「枯レルヤ-Kallelujah-」第3回『若さと夢と「数字は数字」』

大好評・大評判の第3回!
前回は「過去は忘れる、未来しか見ない!」
という生き様が、多くの読者の心をつかんだようですが、
果たして今回はどんな話が飛び出すか?
インタビュー・構成はケロ坊さんです。

 

 

2024年6月15日(土)都内某所にて収録しました。
色分けは、よしりん先生ちぇぶさんみなぼんさんケロ坊、です。

 

●若さと夢と「数字は数字」

ちぇ:もう取り返しがつかなくなったときに焦ったってどうしようもないもんね。皇統問題と一緒ですよ。どうしようもないときに焦ったってどうしようもないんだから。今焦んなきゃ!

よ:いや凄いね。全くそう、皇統問題と一緒。一体何なんだ?とか思うよね。焦らないともう大変なことになるのにね。

ちぇ:ホントですよ。明日にでも皇室典範を変えて、明後日にでも皇太子にしろって言いたいぐらいなのに、本当に。

よ:全くその通りだね。

ちぇ:そういうことはありますよ。先生の年齢と・・・。みんな先生が若いから忘れちゃうんですよ。わかるんですよ?私だって全然信じられないですよ。先生いつも70っておっしゃいますけど、信じられないですよ、今の姿を見ると。でも・・・数字は数字ですからね!

よ:そうだ。数字は数字。それ凄くいいわ。それはもうテーマだ。数字は数字だ。そこのところなんだよ。わしの中にもそれが矛盾としてあるわけよ。全くその通りの矛盾を背負ってる。おかしいと。70になったらもう先はないはずだって思っていたのに、なんか70になったばかりのときに歌唄ったぶんだけ健康になっちゃったかな?みたいな(笑)。

ちぇ:それは素晴らしい、いいことなんですよ。やって良かったなって思います、ホントに。

よ:昨日もモーニングショーでやってたよ。年とったら高音が出なくなる話とか。

ちぇ:そうなんですか。へー。声出てますよ、先生(笑)。

よ:だから、やっぱり声量とか、歌ってるとどんどん出るようになるんだよ。

ちぇ:そう。みんな言ってるから。生放送のコメントで「上手くなってる」って。

よ:どんどんどんどん出るようになるから。あぁー?と思って。そういえば始めたときは声出なくなってたなあと。

ちぇ:『愛のかたまり』(※1)とか歌ってたの、きつかったんじゃないですか?最初からキンプリの曲とか(笑)。

よ:そうなんだよ。めっちゃきつかった。今なら歌えるって感じがするもんね。

ちぇ:だから『愛のかたまり』2回やったじゃないですか、生放送で。2回目の方が歌いやすくなってましたよね。

よ:そうなんですよ。だからやっぱりそのぶん、喉の筋肉を使ったり、健康さは回復してるでしょ。

ちぇ:いいことじゃないですか。良かった良かった。

よ:そうだなー。でもまだ歩いてる大学生に負けるわ。

ちぇ:(笑)前、妊婦さんに負けるって言ってませんでした?

よ:今は妊婦には負けない。学生に負けるんだよ、アッタマ来るんだよ。

ちぇ:若い子は20代とかでしょ?(笑)

よ:学生って凄いね。

ちぇ:そしたら負けないように頑張って下さい、先生。

よ:階段とか、どえらい脚力なんだろうね。わしは階段は練習してないからきついわー。これはいかんわ。

ちぇ:エレベーターとかエスカレーターを使わないようにしないと。

よ:そうなんだよ。エレベーター使っちゃいかん。階段はやっぱり慣れないとダメだね。

ケ:確かに階段はかなり怪我する危険性高いですもんね。

よ:そうだろ?若い時は全然こんなんじゃなかったから。

ちぇ:じゃ、これからのテーマは階段ですね。

よ:若い時は本当に神田の書店街をぐるぐる回るのがむちゃくちゃ好きで。あそこをいつもいつも散策してたからね。だから足が痛いとかいっぺんも考えたことなかったよね。普通に、足ってものはこう、交互のタイミングで前に・・・(笑)。今の学生はとっとことっとこ歩いていくとしか認識してないんだろうな。けどこっちは追い抜かれると物凄く悔しいわけ。

ちぇ:次の課題ですね。

ケ:ちなみに先生、膝が痛くなったりはしてないんですか?

よ:それはしてない。うちのスタッフはみんな足がどうかなっちゃうわけよ。ずーっと座ってるから。トッキーは違うな。トッキー凄いよ、最初から足短いもん。どんどん回転させてるから(笑)。トッキーは違うね

ケ:やっぱりモーニングショーの後の通販番組とかで、「膝の痛みにこのサプリを」とかやってるんで、それがないというのはいいことですよね。

よ:まあそうだね。なんかもう退屈でたまらん。ああいうCMが。

ケ:じゅん散歩(※2)の前後でも・・・。

よ:ああ、あいつ(高田純次)は凄いね!

ちぇ:あの人は60・・・70か。(注:77歳でした)

よ:相当トシでしょ?歩き回ってるやん。あれは凄いな。

ちぇ:そろそろ締めの時間になりますよ。

よ:いいんじゃない?なんだった?数字・・・?

ケ:数字は数字。

よ:数字は数字。そうね、数字は数字だよ!

ケ:なんか過去を見ないって話から、そうなったんですけど・・・。

よ:過去を見ないっていう話と、数字は数字・・・。

ちぇ:でも数字は数字(笑)。

よ:こういうの相剋っていうんだ。これがやっぱり今のわしの人生の一つのテーマになっちゃってるからね。 今だにどうしても夢を見てしまうということと、けど現実は「数字は数字」として、ちぇぶという冷酷な女性から「数字は数字です」といつも言われるんだよ、と。70は70だと。74、5になったら誰だって一気に死ぬかも知れないから私は焦っていると言われる。言われると本当にシビアだなと。その通りだなと思っている。

ケ:で、これがどう僕らに参考になるかはちょっとわからないですけど(笑)。

よ:それはわからないかも知れないねー。

ちぇ:参考にするかどうかは、その人が勝手に考えればいいんじゃないですか。

よ:でも結局わしが思うのは、過去に囚われるよりも夢を見るっていうのは、普通に当たり前に言われてたことでもあるじゃないの。けれども、たったそれだけのことをほとんどの人がやってないということがあるわけだ。だからなんとなく日本に対して、未来に対して、明るい展望を持たないわけよ、日本の若い人は。世界では違うわけじゃない?希望を持ってるわけ。日本人の若者が一番希望を持ってない。それはやっぱりそういう形になっちゃってるからなわけよ。たったそれだけのことがね。ずっと過去に囚われてばかり。

ケ:だからアンチにもなるし、あとはフラれた相手のことを延々とつきまとったりとかするわけですよね。

よ:そう。全部過去に囚われるから。未来のことを考えればいいじゃないっていう。そんなこと考えなくったってさ。

ケ:そこはみんな物凄く参考になると思います。僕は先生がゴー宣で描いてたことで、「執着を断ち切れ」みたいなのがあって。意識して断ち切るって構えると意外と楽になったりするんですよね。

よ:そういう、ちょっと精神論的な話だけど、そういうこともゴー宣で描かなきゃいけないな。

み:こういうのは自立とも関わりますから。執着するというのは、相手に依存してるってことじゃないですか。相手に依存して自分を成り立たせてる。依存せずに自立できるようになったら、過去に囚われることもなくなるわけで、これはなかなか難しい・・・。

ケ:けどそこで恋愛はどとーで行けっていうのもあるじゃないですか(笑)。どとーで行った後にすぐやめるっていうのもなかなかできないということもあるんですよね。めちゃくちゃ好きだったのにフラれた、みたいな。

よ:なるほど。たださ、自立しろって言うのは案外すごく難しいテーマのような気がするわけよ。経済的に自立しろってことなのかなとか、精神的に自立しろってことなのかなとか。それで「自立って何なんだろう?」ってなっちゃうじゃない。だから、それを具体的に言うならば、過去、ルサンチマ ン、恨みつらみに囚われるなって話になる。全部を忘れてしまえ、忘れっぽくなれと。常に未来のことだけ考えて、夢をずっと語れと。
それと、自分の子供の時に夢を語らなかったの?っていうこともあるよね。わしはずーっと夢ばっかり語って、「漫画家になる、漫画家になる」って言って。漫画家にステータスなんて全くなかったからね、昔は。何を言ってるんだ?としか人は思ってなかったし。それで漫画家になるなんて話しても、うちの親父なんか話を聞こうともしない。無視って状態で、学校の先生も完全無視で、「たわ言言ってる」って思われてたけども、ずっと夢を持ちつつ、自分勝手に・・・自分の同人誌とかによしりん企画のビルの構造を描いたり。残念ながらそれは実現しなかったよ(※3)

ちぇ:今どき自社ビルなんて金かかるだけですよ(笑)。

よ:あ、そう(笑)。

ちぇ:うん(笑)。

ケ:いやでも、そうやって未来をずっと見ていたから、逆に過去をどんどん忘れていくような考え方になったのかも知れないですよね。

よ:そうかも知れないね。

ちぇ:未来を見てなかったら『歌謡曲』なんてこの歳で普通やらないですよ。

よ:そりゃそうだ(笑)。
〔次回に続きます!〕

 

※1)愛のかたまり
Kinki kidsの楽曲。2001年11月リリース。
作詞 堂本剛/作曲 堂本光一/編曲 吉田健
13枚目のシングル「Hey! みんな元気かい?」のカップリング曲。ファン投票第1位楽曲としてベスト・アルバムにも収録されるなど、人気が高い。
「歌謡曲を通して日本を語る」では、第1回と2024年3月の横浜LIVEで披露。

※2)じゅん散歩
テレビ朝日で月曜から金曜まで、関東広域圏で「羽鳥慎一モーニングショー」に続く時間帯に放送されているローカル番組。
俳優・コメディアンの高田純次が首都圏などのスポットを散策する。地井武男の「ちい散歩」、加山雄三の「若大将のゆうゆう散歩」に続く「散歩シリーズ」第3弾として2015年9月から放送中。
番組後半は通販のコーナーになっていて、サプリなどをよく売っている。

※3)よしりん企画のビル
『ゴーマニズム宣言EXTRA 挑戦的平和論 上巻』(幻冬舎 2005年)の巻末付録『わしの小さな楽園』では、当時思い描いていた「よしりん企画・夢のアトリエ」を語っている。

 

【バックナンバー】
第1回 枯レルヤとは
第2回 過去を忘れる理由

 


 

 

渋沢栄一の言葉「四十、五十は洟垂れ小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら、百まで待てと追い返せ」からいけば、70はまだまだ働き盛りの数字。
ずっと未来を見つめ、過去を忘れて、夢を追ってほしいし、願わなくてもそうなるんじゃないかと思いますが、読者の方が先に老いて置いていかれないように、食らいついていきましょう!
次回もお楽しみに!

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