本稿執筆時(2024年7月4日午前)のYahoo!ニューストップには、旧優生保護法に最高裁の違憲判決が出て、強制的に不妊手術を施された人々への「政府のお詫び〜賠償」に関するトピックが並んでいます。
これは端的に表せば「医療・保健衛生に関して、国家が誤った施策を行った事件」であると言えるでしょう。
一方、同じく昨日から今日にかけて話題となっているのがこちらのニュース。
この中で特に恐ろしいのが「医療の逼迫(ひっぱく)時には、科学的知見が不十分な段階でも緊急事態宣言などの措置に踏み切る」という内容です。
「緊急事態宣言」の効果について否定的なデータが山ほど出され、「医療逼迫」が生じた原因についても、実態にそぐわない過剰な「感染対策」が逆効果となって引き起こされたという指摘が数多くなされています。
そうした検証を有耶無耶にしたまま「医療・保健衛生を錦の御旗にして強権的に国民の行動を統制する」法を、ご丁寧に「科学的知見が不十分な段階でも」という文言を入れて「(誤っていた場合でも)責任を完全放棄する」と堂々と宣言しながら閣議決定するって…。
それ、旧優生保護法に関する判決の背後に流れる「本質」に、1mmも向き合っていないでしょう。
偶然、時を同じくして挙がった2つのトピックは、日本の政治に流れる異様なまでの「思考停止、思想劣化」を恐ろしい程に浮き彫りにしていると感じずにはいられません。