いわゆる「週刊誌」は、発行母体などにより、いくつかの系統に分類することができます。考察の参考に、大まかな分類を行なってみましょう。
新聞系
現在のような「週刊誌」の直接の先祖にあたるのがこの系統。1922年に「サンデー毎日」と「週刊朝日」が創刊されましたが、週刊朝日は100年続くも2023年に休刊(同社もう一つの週刊誌「AERA」は継続)。
新聞では発行部数最大の読売新聞社「読売ウイークリー」は、2008年とだいぶ以前に休刊していますが、実はこの「時期」は、文春の変化などを考える際にもポイントの一つになります。
ちなみに、他でもないゴー宣発祥&現連載誌の「SPA!」も、元々は同グループ内の産経新聞(当時はサンケイ新聞)系の「週刊サンケイ」という、ど真ん中の新聞系でした。しかし、現在のカラーはのちに挙げる「カルチャー系」の「週刊プレイボーイ」などに近いと言えます。
なお、日本経済新聞系の「日経ビジネス」も、新聞系というよりは「週刊エコノミスト」や「週刊ダイヤモンド」などの経済系に分けられるでしょう。
文学系
「週刊」というハイペースでの刊行は、元々ノウハウを持っている新聞社が有利だったのは明白で、しばらくは新聞社系の独壇場時代が続きます。
その状況に一石を投じたのが、1956年創刊の「週刊新潮」と、1959年創刊の「週刊文春」です。
両者とも、文学・文芸系のカラーが色濃い出版社で、ここから様々な出版社の参画が勢いづいて「週刊誌文化」の最盛期へと繋がったと言えるでしょう。
そんな「一つの文化の発展に大きく寄与した」存在が、あまりにも軽薄に文化を破壊してしまうキャンセル・カルチャーの急先鋒になっているのは、なんとも皮肉なことです(2に続く)