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2024.4.23 07:00ゴー宣道場

「光る君へ」と読む「源氏物語」 第1回 第一帖<桐壺 きりつぼ>

昨日よしりん先生からお知らせがありました、
まいこさんによる「源氏物語」や「光る君へ」の
感想・解説シリーズ、早速の登場です!!

 


 

小林先生が「歌謡曲を通して日本を語る」で「越後獅子」の歌と共にお話いただいた大道芸としての散楽が登場する大河ドラマ「光る君へ」は、いたるところに「源氏物語」のオマージュといえる描写があり、幼いときから古典に親しんでこられた愛子さまも、きっと御覧になっておられるのではないかしらと思いながら視聴しております。

大河ドラマ「光る君へ」を機会に「源氏物語」を読んでいる方も多いようで、小林先生も現代語訳を御手にとっていらっしゃるとのこと。「難き時代を乗り越えて」藤原定家をはじめ多くの先人によって散逸を免れ、千年後の今も読める物語は、1925年には英国人・アーサー・ウェイリーが訳して欧米でも大ヒット。「日本人論」で描かれた「陰翳礼讃」の著者・谷崎潤一郎が、なんと三度も現代語訳をするほど魅力的な物語を読めば、「光る君へ」のあの場面、この場面は「源氏物語のここか~」と視聴する楽しさ倍増、作中に詠み込まれた795首もの歌の幾つかを口ずさめるようになればモテること間違いなし。

愛子さまも繰り返し読まれたという「源氏物語」、あの輝くオーラを感じられる右脳を鍛えるためにも、まずは、あらすじに触れてみませんか?

 

第一帖 <桐壺 きりつぼ>
いつのころからか、桐壺帝に非常に愛された身分の低い桐壺の更衣は、正妻の弘徽殿の女御はじめ宮中の女性から苛められて心身が弱り、皇子を生んだ後、亡くなってしまいます。桐壺帝は弘徽殿の生んだ第一皇子ではなく更衣の皇子を東宮にと願いますが「帝になれば国が乱れる。臣下ならば道が開ける」との高麗の人相見の言葉に従って臣下に降し源氏姓を与えました。桐壺帝は亡き更衣に似た藤壺の女御を迎え、源氏は光る君、藤壺は輝く日の宮と称される美しい義理の親子として親しくなってゆきます。12歳となった光る君は元服し、左大臣の娘・葵上を正妻にするものの打ち解けられず、心は義母である藤壺の女御に向かうのでした。

限りとて 別るる道の 悲しさに いかまほしきは 命なりけり  桐壺の更衣
生きたいと 命の限り 願うのに 別れの道は 悲しくひらく

「源氏物語」で最初に詠み込まれた歌は、死出の旅路。今生の別れと悟った桐壺帝に詠みかけるもの。

和歌には自分の言葉で意訳をつける楽しみもあって、情景を右脳でキャッチして、左脳で言語化する、
もっとも手頃な訓練になるかなと思います。ぜひ皆さまも、ご自身の意訳をつけてみてください。

物語の冒頭で、いきなり主人公が母親を亡くしてしまうのは、「光る君へ」でも物議を醸した第一話でのまひろ・紫式部(吉高由里子さん)の母親が殺されるのに通っていて。亡くなった母の面影を求めて、母と似ている女性を慕う光る君は、「夫婦の絆」の一郎が髣髴としますし、父である桐壺帝と三角関係になるのは、沙耶と蜜子の両親との関係と同じとも言えるかもしれません。

名古屋ゴー宣DOJOの翌日に放送された第16回「光る君へ」は、藤原詮子(吉田羊さん)が藤原伊周(三浦翔平さん)の生意気な態度に憤怒の表情を浮かべていました。詮子が第一皇子を生んだにも関わらず、円融帝に蔑ろにされた様をみると、弘徽殿の女御のモデルは詮子のように思います。パトロンである道長の姉を「源氏物語」最大のヒールにしてしまうところ、紫式部はなかなか強かな女性ですね。

光る君のモデルの一人とされている伊周が三浦翔平さんなのは嬉しく。光る君、もしくは光源氏は、その時代の美形が演じてきたことでも知られ、歌舞伎では市川海老蔵(現團十郎)さん、映像作品では沢田研二さん、東山紀之さん、生田斗真さん、天海祐希さんなど。もともと麗しい方々の時分の花がひらいたさまは、いま見ても光るほど美しく、ジャニーズのお二人がいるのも納得。いま光る君を演じるとしたら、どなたが相応しいでしょうか。

 

 


 

 

毎回の『光る君へ』を見る楽しみが倍増して、
日本人としての感性を高めることにもつながる
注目のシリーズの始まりです!
どうぞご期待ください!

 

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