立憲民主党が2019年6月11日に発表した「安定的な皇位継承を確保するための論点整理」では「女性天皇」「女系天皇」「女性宮家創設」の3つを容認し、旧宮家子孫を皇族にする事には反対という、まさに「100点満点」の内容が示されました。
こちらの東京新聞の記事が、当時の他党との比較などわかりやすくまとめられています。
ところが、今年2024年の2月20日に報じられた「安定的な皇位継承に関する検討委員会」の論点整理案では、「女性宮家を創設した場合には将来の女系天皇につながる可能性があるとの慎重意見も併記」と、非常に後退した中途半端なものになっています(下記リンクは同じく東京新聞記事へのリンク)
なんでこうなっちゃった?
…かの理由はけっこう容易に想像でき、おそらく2020年9月の、旧国民民主党との合流にあります。
昨日のブログ「〝立憲〟民主党の議員が憲法を蔑ろにする異様さ」で批判した源馬謙太郎衆議院議員も、この時に立憲民主党に合流しています。
この頃、私は大まかな認識として「立民は性別を問わない直系長子継承」と捉え好感を持っていたので、男系男子固執の議員がいる事に驚きましたが、調べるとほとんどが旧国民民主からの合流組(または、この系統の議員が共通のルーツとする希望の党から直接旧立民に合流)です。
おそらく間違いなく、ここが「立憲民主党に、皇位継承におけるノイズが混入した」ポイントです。
これにより、正直私の立民支持マインドは大きく落ちました(私は特定の支持政党はなく、選挙の度に毎回熟慮して投票先を決めています)。というより、男系男子固執の議員がいるという理由で立民の支持率が上がるって、まずありえないですよね。
そういえば、立憲民主党の泉健太・現党首も、旧国民民主党からの合流組。2023年初頭、源馬議員と同じ倉山満のYouTubeに出演して男系固執論を述べていましたが(私の中の立民支持マインドは、当然過去最低になりました)
これで猛批判を浴びた事も影響したのか、1年後の2024年1月には、岸田首相に女性天皇や女性宮家への見解を問う、かなりバランスのとれた代表質問を行うまでになっています。
さすがに党首としてのバランス感覚で「男系男子固執を言うのはヤバい…」と判断したのか。もし思惑があろうとも、立民支持マインド急上昇!
…かと思ったら、どこまで信念があるのか不明な男系男子固執を示しながら、「憲法との整合性を切り離した議論を」とかトンデモな事言う議員がいるんだものなあ。また支持マインド下落しそう…
しかし、そこに光明が!2024年3月5日の報道だと、立憲民主党の皇位継承に関する対応は「野田(佳彦・元首相:筆者注)氏ら幹部に一任」されるとか!
野田元首相や、馬淵澄夫事務局長といった、尊皇心の篤い幹部への一任なら期待大!
本稿では、私個人の「立民支持マインド」上下の推移を書いてきましたが、少なくとも男系男子固執で立憲民主党の支持率が上がることは、絶対と言っていいレベルで無いでしょう。
一方、既に2019年に党是として示されていた「女性天皇、女系天皇、女性宮家容認」を再提示するだけで、支持率が上がる可能性はあっても、下がるという事はまず考えにくいでしょう。
大げさではなく、立憲民主党の存在意義がかかっていると思います。大いに期待しています!