桐島、偽名やめるってよ(すいません、本題とまったく関係ないんですが、つい言いたくなりました!)
先日のブログで取り上げた連続企業爆破事件の桐島聡容疑者、亡くなってしまいましたね。
あの記事は色々と反響をいただき、なかでもDOJOサポーターのランランさん(最近では下記のようなゴー宣ジャーナリスト記事でも活躍されています!)
彼女がサポーターのメーリングリストに投稿してくださった、お父様との会話がとても興味深かったので、許可を頂いた上で転載します。
大須賀さんのブログを読み、父が学生運動してたので、近いものがあるかなと思い、話を振って以下の会話がありました。
私「桐島聡容疑者の話知ってる?」
父「あ、知ってる。最後自分で指名手配をバラした人だろ。」
私「(率直に)どう思った?」
父「俺だったら最後までバラさないな。」
私(死ぬ前になったら分かんないよ?)「そうかぁ」
父「50年潜伏してたのは大したもんだよ。(同志目線)」
私(ずれてるよなあ、感覚。)「この人、色々な爆破事件したとか聞いてるけど。」
父「ああ、あれは三菱の、軍事産業だったから、どうのこうの・・・」
私(なるほど、普通企業爆破なんてとんでもないと思うけど。反日思想だから麻痺ってるのか。)
私「いや、でも爆破はないでしょう。他の人巻き込むし。」
父「そこは、その、20歳ぐらいだったから予想以上に人が死んだのはそこまでは考えてなかったのだろう(同志共感)。」
私「あ、そうなの。へぇ、(米国の)イラク戦争のピンポイントミサイルみたいだね。(馬鹿だね)」
父「俺も近くに爆弾あったら投げてたよ、火炎瓶と石しか投げたことないし。火炎瓶全然駄目、放水車で消えるんだよ」
私「何さらっと言ってるんだよ(普通の家族欲しい。)」
父「普通だよ普通。学生運動みんなやってた。」
私「普通じゃないよ、良かったよ。その時に中国のじいちゃんに会ってなくて。(じいちゃん、ゲリラ戦術絶対教えそうだし。)」
学生運動過激化の当時の空気感を異常とみないのが、相容れないところだと思いました。
ランランさん(そしてお父さん)、改めてありがとうございました!
私も団塊ジュニアで、学生運動を盛んに行っていた世代については以前から色々と思う所があります。
お父さんの言葉の中にあった
>父「普通だよ普通。学生運動みんなやってた。」
これは、本当にそうなんだと思います。学生運動に代表される左翼運動の最盛期は、人口ボーナスの恩恵を最も大きく受けた世代の「ブーム消費」の一つというのがその本質だと思っています。
桐島容疑者は団塊よりも少し下の世代ですが、前の記事でも述べたように、どう考えても「人生を賭してまで貫徹したいポリシー」があったようには見えず、むしろ「流されるまま」であったからこそシンパとの接触など「尻尾を出す」要素につながらなかったのでは、と思います。
最期の「告白」も、訴えたい事があったというより、極めて私的な「終活」がしたかったのだと思います。
こうしてみると、桐島容疑者の人生は数奇なものでも何でも無く「極めて普通」だったのでしょう。
ただし、その「普通」は、歴史の縦軸と社会の横軸の交差点に存在する「個」に備わった「常識」ではなく、空気への「積極的同調」的なものだと思います。
他人事ではありません。我々団塊ジュニアも、うっかりすると「損を被った世代」という哀れみに積極的同調して、内心を慰撫するだけで終わってしまう可能性大です。
それに強烈な違和感を感じるマインドを、最期の最期の最期まで持ち続けたいと、改めて強く思いました。