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小林よしのり
2024.1.30 08:09日々の出来事

「セクシー田中さん」の原作者と製作陣の齟齬は、わしの場合はない。

「セクシー田中さん」の作者・芦原妃名子さんが、
テレビドラマの制作者とトラブって、自殺してしまった
らしい。
原作に忠実に脚本を書いてほしかったらしいが、よほど
繊細な人だったのだろう。

だが、原作者が自殺なんかしたら、ドラマ化で関わった
人たちが、俳優まで含めて全員、嫌な思いをするに違い
ない。
その人たちも含めて気の毒である。

わしの場合は『おぼっちゃまくん』の製作陣が、インド側
も含めて、本気で『おぼっちゃまくん』を愛してるし、
安心して任せておれる。
プロットから脚本になるまでの過程をわしがチェックして
いるし、決定稿がやってきても、このままOKするのは
マズいと思えば、わしが最終的にボツを出す権限もある。
ボツを出しても、めげずに脚本家は挑戦してくる。

わしがシナリオに入れた赤字による感想や修正は、全員で
共有して、読んでくれている。
そもそもわしは『おぼっちゃまくん』をわしの死後も
創作できるようにしたくて、創作のコツを全部教えよう
としてるから、普通の原作者と動機が違っている。

『おぼっちゃまくん』は特殊なギャグ漫画だから、他人が
描くのは不可能と言われていたが、わしは右半球の発想を
左半球の論理に転嫁させるのが得意だから、創作のコツを
伝授するのは可能だと思っている。

そりゃあわしが描いた漫画原作なら、100%他人に伝えられ
ようが、脚本だけで伝えるとなると、そこまでは望めない。
それでも創作能力は、脚本家や、インド側のアニメーター
にだってあるのだから、全員の才能で補完してくれれば、
全く新しい『おぼっちゃまくん』の創作も可能だろう。

まずはインドの4億人の子供たちを楽しませる!
こんなやりがいのある仕事はない。
国家を超えたチームによる総力戦で挑む!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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