皆さん、おはようございます。
ゴー宣ジャーナリスト水曜担当のしろくまです。
また今回から美術に関する私たちの社会に関わることなど紹介していきます。
私が美術館ボランティアを始めた時、たくさんの作品を鑑賞した中でとても強く印象を受けた作品の内の一つが日本の版画でした。実際に見ると西洋の油絵とは違う魅力があり、白と黒、墨で描かれるものは日本独特な深いものを感じました。
その作者は棟方志功です。明治36年(1903年)に青森の鍛冶職の家に生まれました。
「二菩薩釈迦十大弟子板画柵」1939年 棟方志功
17歳の時にゴッホの「向日葵」を見た棟方は感動し、油絵を描くと21歳で上京して帝展で落選が続く中、油絵に疑問を持ち、ゴッホが日本の木版画を発見し高く評価していたことを知り、版画家への道に繋がりました。
以前のブログにも書きましたが日本の美術が海外に影響を与えたことは大きく、ゴッホは生涯作品が売れなかったと言われていますが、ゴッホが棟方の版画家の誕生のきっかけになったことは大きいと思います。
棟方は「青森の板画が日本の板画になり、日本の板画が世界の板画にのびていく」と語っていました。版画を「板からわいてくる命を彫る」と「板画」と呼んでいました。
青森から世界を見据えて、五十年の画業を費やし「世界のムナカタ」と認められるようになりました。
《門世の柵》1968年 棟方志功
作品の数々からは、日本の郷土から生まれたものや宗教性など、特に女性像はとてもふくよかで神聖さと母性的、自由でおおらかな感じを受けます。
「飛神の柵」1968年棟方志功
原始的なもの縄文のような荒々しくも力強い、美しさが底流しているようにも感じます。
作品から日本の文化や芸術、歴史を認識出来ることが多くあります。日本の本来持っている女性らしさ、男性らしさを昨今のキャンセルカルチャーで否定してはいけないと思います。
次回も美術から現代の社会に関連することを紹介していきます。
【トッキーコメント】
美術から日本的なものや日本人らしさとは何かというところを探っていくということもできそうで、すごく興味を惹かれます。
次回もお楽しみに!