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大須賀淳
2024.1.15 10:43その他ニュース

公開!放送事故調査委員会

「歌謡曲を通して日本を語る」配信の音声トラブル、再発防止に向けた対策と、同時に全体の安定化向上に向けた改良案がかなりまとまってきました。

 

本来は内部向けの対策案資料なのですが、トラブルの原因追求や対策への取り組みは、書物やドキュメント映画などの形でもニーズの高いテーマでもあります。

 

ここは「とことんライブ」の姿勢で、問題解決に動くプロセスも「エンタメ」になるのでは?と思ったので、トラブルの分析と対策案をまるごと公開しちゃいます!

 

ガチの対策資料なのでカタい&専門的な書き方ですが、舞台裏の一端として、ご興味があればぜひお楽しみ(?)ください!

 

●トラブル1:ニコニコ上での音声ループ

・事象と原因
50分54秒付近から、ニコニコの配信上で0.5秒ほどの音声がずっとループした状態となった。

この時、現地で確認できる最終段階(ネット回線に乗る手前)までの音声は正常だったので、問題発覚が遅れる。

アーカイブでトラブル音を確認すると、音声信号の接続が原因ではなく、ソフト上からネット回線に送られる部分(人間から見てブラックボックスになる部分)で起きているので、配信を続行しながらのトラブルシューティングはかなり困難。

当日は、正常に流れ続けていた会場内のPA音声を、カメラのマイクで拾い、新たに作った別の音声経路に流すという力技で、音声が不完全ながらも放送の継続を確保した。

・対策
トラブル発生時に迅速に対応できるよう、配信時はミキサー操作の専任者を配置する。

直接触れない部分の予期しないエラーは完全に防ぐことが困難なので、今後はミキサーからの音声を分岐した上で、常にバックアップ用の予備回線を設けておく。担当者は、トラブルが発覚した時点ですみやかに予備回線に切り替える。

今回のような、会場の設備上では認識不可能なトラブルを即座に察知するため、最低1名がイヤホン装着で配信を視聴し、音声や映像のトラブル発生時に速やかに連絡する体制にする。

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●トラブル2:トーク部分での音量バランス

・事象と原因
1のトラブル発生前、先生とチェブリンの声の音量差が大きく、聴きづらい状況となった。

要因として、当番組における音量管理の複雑さがある。配信、会場内のPA(加えて、今回はドラム演奏専用のモニター)各々に最適な音量バランスは全く異なり(それぞれに出す音、出さない音もある)別々に設定する必要がある。さらに演奏中とトーク中での設定も大きく変える必要がある。

・対策

ミキサー専任者の配置で調整は行いやすくなるが、1人で上記すべてのコントロールを行うのは相当の熟達が必要。理想は、会場PAと配信の音声を分けた体制(大規模ライブなどの配信でとられる体制)だが、ミキサー担当者が最低2名必要な上に、機材量やセッティングも大幅に増すので現実的ではない。

そこで、簡単かつ安定させやるい方法として「歌とトークのマイクを分ける」方法を検討する。

配信に乗るトーク音声はピンマイクを装着してそちらを使用。これであれば、一度バランスをとってしまえば、ほぼノータッチで安定した音声を配信できる。ミキサー担当者は、演奏の開始・終了時に、スイッチ一つで演奏用とトーク用のマイクを切り替えるだけで良い。

曲ごとに変化する音量バランスは、リハ時にミキサーのメモリー機能で曲ごとに保存しておき、ワンタッチで切り替え。必要に応じて微調整を行うシンプルな形にする。

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トラブル3:「君だけに愛を」の演奏が最初出なかった問題

・事象と原因
これの原因は明確で、1のトラブルへの対処を行った結果、接続が変わったので、こちらも変更が必要だった。

ただし、応急処置したシステムの「ぶっつけ本番」で生じた問題であり、けっきょく対処のあいだ進行を滞らせてしまったのが最大の問題。

・対策
重大なトラブルが起きた時、配信を「しばらくお待ちください」の表示にした上で、その先のオペレーションも問題ないかを軽くチェックした上で再開という形を、いつでも行えるようにしておく。

ただの「お待ちください」画面で視聴者が飽きてしまわないよう、過去の名場面集など、いつでも使えて楽しめるものを用意しておく

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対策のまとめ

ミキサー専任者を配置し、音声系のオペレートを行う

配信中は、常に1名が、イヤホン装着で配信先での音声・映像に異常が無いかを確認。異常があった場合の伝え方も決めておく。

トラブル対処中に流せる待機映像を用意

音声、映像とも、予想外のトラブルに対処できるバックアップ系統を用意する

大須賀は、上記のためにシステムの整理を行った上で、協力スタッフとの連携のために必要部分のマニュアルを作成する

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ここら辺をベースに、ミーティングで練り込んでみます。間違いなく質の向上につながるので、語弊があるかもですがちょっとワクワクして来ました(笑)

 

配信を観てくださる皆さんの期待にしっかり応えられるよう、引き続き邁進します!

大須賀淳

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